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【第72回】赴任3カ月からは駐在妻の暗黒期!?

2022.02.28

コンゴ民主共和国(以下、コンゴ民)在住、「TKT48」広報部海外メンバーのAikoです。

コンゴ民に赴任して5カ月。

ここ最近は気分が落ち込み、やる気の出ない日々が続いています。

新しい土地に赴任して3カ月ほど経つと、私のように気分が落ち込んでしまう駐在パートナーが多くいるそうで、 それを「暗黒期」と呼ぶ人もいるようです。 今回は、アフリカ駐在妻が自らの体験をもとに暗黒期の正体を解き明かしてみたいと思います。

異文化適応の4つの段階

暗黒期の正体のひとつが、カルチャーショックではないでしょうか。

海外で生活したことのある人なら、きっと誰もが体験したことのあるカルチャーショック。

これは、異文化適応における以下の4つの段階の中で起こると言われています。

<異文化適応の4段階>

 ① ハネムーン期:見るもの全てが刺激的で、新しい生活に高揚している時期

 ② ショック期:生活が落ち着いてきたところで、慣れ親しんだ環境と比較し、落胆や失望を抱いてしまう時期(カルチャーショック)

 ③ 回復期:カルチャーショックを抜け出し、異文化への適応が始まる時期

 ④ 受容期:文化の違いを理解し、新しい環境を受け入れられるようになる時期

新しい国に赴任したては、ハネムーン期。何をみても新鮮で刺激的な日々を過ごすのではないでしょうか。私もコンゴ民に赴任したての頃は、ブルキナファソよりも発展した町並み、品揃えの豊富なスーパーに大興奮。しばらくは新しいお店の開拓に奔走したり、娘たちの新しい幼稚園の先生や友達の名前を覚えたりするのに、毎日必死でした。

しかし時間が経つにつれ、スーパーに並ぶ輸入品は高く、欲しいものは全て買えないとわかり、我慢するように。娘たちの送迎中に出くわす渋滞、路上で賄賂を要求してくる警察にうんざりしてきます。

今では高い物価とひどい渋滞に嫌気がさし、外出意欲が湧きません。まさに②ショック期(=カルチャーショック)の真っ只中にいるんだと思います。

マズローの6段階欲求説

もうひとつ、駐在妻に影響するのが、マズローが唱えた6段階欲求説ではないでしょうか。

これは人間の欲求を6段階に分け、下層の欲求を満たすと、ひとつ上の欲求を満たしたくなるというものです。

 ① 自己超越欲求

 ② 自己実現欲求

 ③ 承認欲求

 ④ 社会的欲求

 ⑤ 安全の欲求

 ⑥ 生理的欲求

最下層にあるのが、⑥生理的欲求。

「食べる・寝る」という生きていくために必要な欲求ですが、赴任当初はホテルに滞在していたため、「食べる、寝る」ことに困ることはほとんどありませんでした。

そうなると、次は⑤安全の欲求。

ここが生活の立ち上げに当てはまるのではないでしょうか。

安全な家探し、車探し、学校探しに奔走し、我が家の場合は2カ月ほどで、住居、学校、車を見つけて落ち着くことができました。

そうすると、今度は④社会的欲求を満たしたくなります。これは別名「所属と愛の欲求」とも言われるもので、「集団に属したい」、「仲間が欲しい」といった欲求です。

私が今つまずいているのが、まさにここ。組織で働く夫には職場と同僚、娘たちには学校とクラスメイトという存在がありますが、私には所属しているコミュニティもなければ、仲間もいません。

赴任して2カ月ほどで⑤安全の欲求は満たされましたが、④社会的欲求が満たされず、不満を抱えたまま、孤独と戦っている状態が数ヶ月続いています。

カルチャーショックと孤独に同時に襲われる辛さ

社会的欲求が満たされず、孤独を抱えている私は、異文化適応のプロセスにおいても、ショック期の真っ只中。

ほとんど外に出ず、夫に愚痴をこぼしてばかりです。

それもそのはず。 所属するコミュニティがない孤独な毎日を、これまで暮らしてきた環境と全く異なる場所で過ごしているんですから。

思えば、以前暮らしたベナン、ブルキナファソでもそうでした。

生活が落ち着いてからは、半年ほど

   ―友達ができない

   ―出かけるところがわからない

   ―新しい国のことが好きになれないかもしれない

   ―日本に帰りたい

そんなことを考えて過ごしていました。

しかし、今の私が違うのは、これまでの経験があること。

「新しい国での最初の半年は、ツラくて落ち込むことが当たり前」

それが、わかっていること。

異文化適応プロセスの有無に関わらず、駐在生活を送っていると、気持ちが正弦波のように上がったり下がったりします。 落ちてしまうときもあれば、そのうち上がるということを知っているのが私なりの成長です。

駐在妻の暗黒期の正体は、異文化適応のプロセスと人間の欲求による自然のもの。 私にはどうすることもできません。

「今はそういう時期なのだ」と認め、新しい土地での生活立ち上げを頑張ってきた自分を労わることにし、家事でもサボって、しばらくはゆったりしようと思います。

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