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【第73回】海外に出たきっかけと、海外生活を送って気づいたこと

2022.03.22

コンゴ民主共和国(以下、コンゴ民)在住、「TKT48」広報部海外メンバーのAikoです。

これまで「駐在員の妻」視点でコラムをお届けしてきましたが、今回は「駐在員本人」時代を含めアフリカに暮らして10年目になる私の海外に飛び出したきっかけと、海外に暮らしてみて良かったことについて書いてみようと思います。

海外に飛び出したきっかけ

昔から、ふとした時に「今この瞬間に地球の裏側ではどんなことが起こっているのだろう?」と気になり、1日の終わりにベッドの中で「地球のどこかでは、これから一日が始まるんだなぁ」と、他の国のことに漠然と興味を抱いているような子どもでした。大きくてまあるい地球の存在が不思議でたまらなかったのです。

そんな私が実際に世界(特にアフリカ)へ飛び出すきっかけとなったのは、小学校5年生の時の担任の先生が読んだ1冊の本でした。いつもは怖い先生が、本を読みながら涙を流していたのです。それも1ページ目で。

「いつも怒ってばかりの先生がこんなに泣いてしまう本って、どんな本なんだろう?」

そんな興味本位で両親に買ってもらった1冊の本「トットちゃんとトットちゃんたち」が私のアフリカ生活のきっかけです。

中学生だった私は、当時の途上国の子どもたちの様子が書かれた本を読み、「彼らのために何かしたい!」「将来は国際協力に携わる仕事がしたい!」と思うようになりました。

それから授業では英語に力を入れ、大学を卒業してから青年海外協力隊(現:JICA海外協力隊)として、初めてアフリカの大地を踏むことになります。

海外に出てみて良かったこと

① 自分の目で、リアルな現実を知ることができた

海外に出て良かったことの一つは、メディアを通さない現実の世界を、何のフィルターもなしに見られたことです。

今は日本にいても、ネットニュースで海外の情報を得ることができます。しかし、実際に自分の足で立ち、自分の目で見たザンビアには、メディアでは放映されない事実がたくさんありました。

「学校に通いたくても通えなくてかわいそう」と思っていた子どもたちの中には、嘘をついてずる休みをする子どもがいます。「お父さんが死んだ」と嘘をついて学校を休んだ生徒も。食糧危機が危惧されている国の中でも地域が変われば、ごはんを残して平気で捨てている人たちもいます。

「これがいい、悪い」と書くつもりはありません。これが現実なのです。これまで自分が築き上げてきたイメージが、目の前で崩れ落ちる場面を何度も経験しました。

② 価値観を変えることができた

もうひとつは、幸せの価値観が変わったこと。

私はこれまでザンビア、ベナン共和国、ブルキナファソ、コンゴ民主共和国と、アフリカで暮らしてきました。日本では、まだ「アフリカ=貧困でかわいそう」というイメージが先行していると思います。

しかし、これまで暮らした国で出会った多くの人たちは、お金がなくても私よりもずっと楽しそう。みんな、採れたての野菜や果物のおいしさを知っています。旬の食材を使って、その土地や風土にあったごはんの食べ方を知っています。

季節の野菜や果物を取り入れ、自ら鶏やヤギを捌いて食べ、代々伝わる文化や慣習を大切にし、その日一日を、今この瞬間を精一杯生きています。自然と助け合って生きています。

そのような日々の中で、日本人が考える幸せとアフリカで出会った人たちの幸せの価値観が異なることに気がつきました。私自身もこれまでのアフリカ生活を通して、世界中どこにいても家族みんなで笑い合っていること、健康でいることの尊さと幸せを感じられるようになったと思います。

今日も地球に生きる

小さい頃に「地球の裏側にいる人たちは、どんな暮らしをしているのだろう?」と漠然と抱いていた疑問は、これまで自分が訪れた国についてなら、自分の目で見て想像ができるようになりました。(それでも、ほんのごく一部に過ぎませんが)

高校、大学までは日本語だけで生活していましたが、英語、フランス語、いくつかのアフリカの現地語を使って、コミュニケーションが取れるようになりました。

もちろん時間通りに来る電車、お寿司やラーメン、どのお店でも丁寧に対応してくれる店員さん、便利なサービスなど、日本の生活が恋しくなるときもあります。

でも7年の駐在生活で、それをも遥かに上回るかけがえのない出会いがたくさんありました。育児の悩みを共有してきたナイジェリア人の友達、駐在家族として悩んでいるのは自分だけではないと教えてくれたマリ人の友達、どの国に暮らしても積極的に楽しむ姿勢を教えてくれたアメリカ人の友達。みんな日本にいたら、出会えていなかった人たちです。

4歳と6歳になる娘たちは、肌の色や言語、食文化、気候など、地球上にあるさまざまな違いを幼いながらに理解しています。日本とアフリカの距離もわかっています。

そんな子どもたちを見て「地球に生きているなぁ」と感じます。

夫が今の仕事を続ける限りは、海外転勤族の我が家。苦労も悩みも尽きないけれど、せっかく地球に生まれたのだから、もっと地球に生きてみようと思います。世界の現実は、きっとまだまだ知らないことだらけだから。

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