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【2020年7月16日│上海現地レポート】新型肺炎に関する状況について

2020.07.16

【2020年7月16日│現地レポート】新型肺炎に関する状況について

本内容は、弊社上海現地法人の駐在員の見解です。

公式に発表されたものではありませんのでご留意願います。

今回は新型肺炎が各種経済活動に与えた影響のうち、不動産関連の影響について報告します


1:不動産売買価格の上昇による居住用マンションの売却の加速

・7月10日に日本人が大変多く居住する、浦東新区の東和公寓が分譲による売却のため 閉鎖されると言う衝撃的なニュースが飛び込んできました。

・同マンションは、長く日本人駐在員で家族を帯同する方々に最も人気のある物件として知られていました。

・2016年に同じ浦東新区に所在し、家族帯同駐在員に人気が高かった東櫻花園が閉鎖されて以来、同区での数少ない日本式マンションとして価値を誇り、400世帯近い日本人が居住しています。

・所有者である上海陸家嘴金融貿易区開発公司が、7月10日を以て正式に閉鎖を決定しました(因みにこの会社は、やはり浦東新区にある明城服務式公寓と言うホテル併設のサービスマンションも2019年に売却済で。こちらは現在別の資本が取得し新たなサービスマンションとして改装中)。

・また今年5月には、虹橋開発区の西端の威寧路(地下 鉄2号線)駅真上にある天山御庭(レガリヤ)と言うホテル式のマンションの西側半分も売却による退去要請が発生しています。

・こちらの物件では、100名弱の日本人が転居を余儀なくされています。

・更に6月にはやはり日本人に人気が高い徐家匯エリアのTYMSと言うサービスマンションで売却による転居要請がだされ、同月同じくサービスマンションの奕隣66公寓(江蘇路)の所有者が突然変わり名称も変更になるという事態も発生しています(江蘇路の物件は、元の所有者の某不動産会社の資金繰りの問題と言われています)。

2:上海の不動産価格の上昇の現状と背景

・今回のコロナ禍の中、中国でも各都市が実質的にロックダウンされ、中でも震源地である湖北省武漢には中国各地から医療チームが応援に入りました。

・この際、上海や広州と言う大都市からの応援部隊の医療レベルの高さに注目した湖北省の富裕層などが上海や広州の不動産に投資し始めています。

・一方、ディベロッパー側の事情からみると、日本をはじめとした多くの外国人が母国へ避難したまま戻れない状況で(新しい赴任者や出張者も来ない)賃貸物件に空きが出ている状態です。

・このような状況下、必然的に売買意欲が高まり、中国の国家統計局の発表する主要70都市の不動産販売価格は1月から4月まで毎月上昇した都市が増えています。

・同統計で1級都市とされている上海・北京・広州・深圳の4都市で1月以降毎月対前月比0.2~0,4%の上昇を記録しています(元々ベースが高いのでインパクトは大きい。また上記の数字はいわゆる新築住宅の数値、中古住宅においては4月は3月比1.1%も上昇)。

・この傾向はしばらく続くことが予測され、現在退避又は赴任を見合わ せている駐在員の渡航が解禁となった場合は、賃貸 水準にも大きな影響を及ぼすと思われます。

3:ホテル市場への影響

・日本からはもとより中国国内の出張も大幅に制限される中、ホテル業界にも甚大な影響が出ています。

・中山公園に位置し日本人の出張者も非常に多く利用していた巴黎春天(ニューワールド)及び貝尓特酒店(ペンタホテル)が共に5月末で営業を終了しました。

・虹橋開発区の各ホテルを見ても夜間殆ど部屋の灯りがついていない状態で、今後さらに多くのホテルの閉鎖も心配されています。

4:今後の見通しについて

・上海市政府もいろいろと経済活動活性化のための施策を展開し、認可を受けた限られた場所での夜店(路上の屋台など)を復活させています。

・新たな赴任者や日本へ一時帰国したまま戻れない駐在員だけでなく、帯同家族に対する緊急ヴィザの申請受付が始まるなど、ビジネス関連の人の往来はそう遠くない時期に再開される可能性があります。

・しかし、前述のような住宅事情を考えると、少なくとも家族を帯同又は呼び戻す動きは非常に鈍くなる可能性が高いと思われます(仮に緊急ヴィザが取得できた場合でも、入国後の隔離観察措置や機内及び空港での煩雑な健康登録を考えると、家族を戻す環境には厳しいと考えざるを得ない状況です)。

・東和公寓が閉鎖され分譲されるということは、主に中国人のそれなりの富裕層が住む(又は所有する)マンションになるわけで、その敷地内に日本人学校が今のまま存続できるかと言う問題もあります。

・このコロナ禍で日本人の上海に於ける生活環境も大きく変わる可能性があります。

引き続き各方面の状況を注視していきたいと思います。

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