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【第16回】ベルギーでの硬水対策

2019.08.09

ベルギーでの硬水対策

「TKT48」広報部海外メンバー・ベルギー在住のyukaです。

肌寒い春のあと、猛暑の夏がやって来ました。息子が「麦茶を飲みたい」と言うので沸かしましたが、この麦茶、水道水で沸かすと味が薄いのです。これはベルギーの水が硬水であるせいです。

ベルギーをはじめ、水道水が硬水である地域では洗濯も日本とは勝手が違います。ベルギーに来て間もない頃、スーパーの洗剤コーナーを見ると種類が多すぎて混乱。何とか洗濯に必要な洗剤を購入して洗濯してみるとゴワゴワだったり白い服がグレーになったり散々な結果になりました。

また、硬水で体や髪、顔を洗うことによるトラブルもあります。ベルギーに来てしばらくすると息子がお風呂上りに体を痒がったり、頭のふけが多く出たりするようになりました。

今回は、私がそういった硬水トラブルにどのように対処しているのかをお伝えします。

硬水って何?飲み水や料理で気をつけること

水1リットル中に溶けているカルシウムイオンとマグネシウムイオンの量を表わした数値を『硬度』といい、WHOの基準では硬度が120mg/l以下のものを軟水、120mg/l以上のものを硬水といいます。日本の水は主に軟水である一方、ヨーロッパの水は主に硬水です。

硬水は苦味や塩味を感じ飲みにくく感じますが、体への良い面もあります。日本でContrexという硬水を飲むダイエットが評判になったことがありますが、硬水を飲むことで日本人に不足しがちなカルシウム、マグネシウムが摂取できますし、特にマグネシウムによる便秘解消効果があると言われています。しかし過度な摂取は腎臓や胃腸に負担をかけることがあるため注意が必要で、特に乳児には硬水を与えないよう厚生労働省は見解を示しています。

スーパーなどで売っている水も硬水と軟水があるため、確認が必要です。『Résidu sec(180℃)』が120以下であれば軟水です。また赤ちゃんが水を飲んでいるマークがついていれば乳児にも安心な軟水です。

またベルギーで料理をした際、沸騰した水道水にかつおぶしを入れてだしをとると旨味も香りも薄くなりました。これはカルシウムイオン、マグネシウムイオンがだしの旨味が水に移ることを阻害するためです。そのため和食を作るには軟水の方が適しています。

また硬水で紅茶を入れると鉄イオンとタンニンが結合して渋み、香りが薄い一方で黒っぽいお茶になります。余談ですが紅茶の国イギリスでは北部は軟水、南部は硬水であるため、軟水用ブレンドと硬水用ブレンドの茶葉を販売している紅茶メーカーもあるそうです。

料理やお茶に使う水を全てペットボトルの水で賄うのは大変なので、我が家ではBritaの浄水ポットでろ過した水を使っています。浄水ポットでろ過した水でだしもお茶も問題なく味が出ます。

洗濯はどうする?

洗剤に含まれる界面活性剤は汚れを落とす働きがあります。しかし硬水で洗濯するとカルシウムイオンとマグネシウムイオンが界面活性剤と結合してしまうため、洗浄力が落ちるだけでなく石鹸カスを発生させます。

硬水での洗濯は洗浄力が低いため、高温での洗濯ができるようベルギーの洗濯機は水の温度を選択できるようになっています。ただし高温で洗濯をすると洗浄力が上る一方、色落ち、色移りしやすくなるので注意が必要です。

また洗剤の他にCalgonという商品を代表とした水を軟水化させる石灰付着防止剤を入れる必要があります。石灰付着防止剤を入れないと、パイプにカルシウム・マグネシウムによる石灰が詰まってしまい洗濯機の故障にもつながるそうです。ジェルボールタイプの洗剤には、このCalgon入りのものもあって便利です。

服の色落ち、色移りしやすいことへの対策として、我が家では色物と白物を分けて洗い、白物には白物専用洗剤を使用し、デニムなどには黒っぽい服専用の洗剤を使用しています。時間がなくて一緒に洗濯したい時は色移りを防いでくれる紙製のシートを入れて洗濯します。このシートが色落ちした染料を吸収して色移りを防いでくれます。

乾燥後、タオル等がゴワゴワになってしまうのは良い解決方法が見つからず、今は様々な柔軟剤を試して効果的に感じたものを使用するようにしています。

食器洗浄機の洗剤はどうする?

ベルギーの家では食器洗浄機を使う家庭が多いです。そして衣類の洗剤同様、食器洗浄機用洗剤の種類も豊富です。

まず通常の洗剤だけではなく、水を軟水化させ石灰詰まりを防ぐための食器洗浄機用の塩が必要です。そして硬水での洗浄は食器に水垢が残りやすいため、乾燥を早めてくれるリンスが必要です。洗剤・塩・リンスがまとめて入っている洗剤(all-in-one)も売っています。

体や顔、髪を洗うのはどうする?

洗濯と同様、硬水で体を洗うと石鹸カスが発生しますが、これが体や顔・頭皮に流しきれず残ることで痒くなったり、抜け毛が増えたりするようです。そのため、カルシウムイオン・マグネシウムイオンなどを吸着してくれるろ過器つきシャワーヘッドをとりつける日本人駐在家族もいらっしゃいます。このシャワーヘッドは日本から取り寄せる他、ベルギーのBricoというホームセンターでも購入可能です。我が家では、ろ過器つきシャワーヘッドを使わず、お風呂あがりにボディクリームを塗る、ふけ・痒みに効くというシャンプーを使うことで肌トラブルは防げています。

またベルギーでは、『水で顔を洗う』というのは乾燥を引き起こすと考えられているようで、水で洗い流すタイプの洗顔料は見かけません。ふき取りタイプのクレンジングを使ったのち、洗顔効果のある化粧水でふき取る、もしくはクレンジング効果のある化粧水でふき取るだけというのが一般的だそうです。私もベルギーで購入したクレンジングと化粧水を使用していますが、洗い流していた時よりも顔が乾燥しないようになりました。

生活に影響を与える水

東南アジアでは水道水は飲めない一方でベルギーの水道水は飲めると聞いていたので、飲める水であっても硬水であることがこれほどまでに生活に影響することは意外でした。

住む場所が変わると水が変わる、そして水が変わることによって生活・文化も変わるということを駐在生活で実感しています。

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