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【第20回】ベルギーから国外へも繋がる長距離鉄道

2019.10.06

ベルギーから国外へも繋がる長距離鉄道

「TKT48」広報部海外メンバー・ベルギー在住のkanaです。

前回(第18回)は「ブリュッセルの公共交通機関」についての記事でしたが、今回は「ベルギーの長距離鉄道」についてご紹介します。長距離鉄道を使いこなすことができれば、平日お友達と一緒にアントワープやブルージュなどの他都市へ行くことも、休日家族でフランス・ドイツ・オランダといった国外へ行くこともできます。

ベルギー国鉄(NMBS/SNCB)

ベルギーの国鉄はNMBS/SNCB(オランダ語の略称/フランス語の略称)と表記されます。主にIC(特急列車)、IR(急行列車)、L(普通列車)があり、他都市へ行くにはブリュッセル中央駅からICに乗ります。観光都市であるアントワープへは1時間弱、ブルージュへは1時間強で行くことができます。

ブリュッセル市内には普通列車の停まるローカル駅も点在しています。ブリュッセル市内の移動は第18回で書いた通り、STIB/MIVB(ブリュッセル首都圏交通会社)のメトロ・トラム・バスを使うのが一般的ですが、空港など国鉄を利用する方が便利な場所へ行く時、STIB/MIVBがストライキをしている時などに利用することもあります。

ベルギー国鉄のチケットは大きな駅の窓口、券売機、オンラインで購入することができます。他のヨーロッパ鉄道国際列車と異なり早割料金がありませんが、金曜日の19時以降から日曜日の間に往復する場合、半額のweekend ticketを使うことができます。

大人同伴で12歳以下の子どもは4人まで無料です。また大家族割引などもあります。一等車と二等車を選ぶこともできますが、ベルギー国鉄の一等車はコーヒーのサービスがあるわけでもなく、座席も二等車とそれほど差がありません。

チケットを購入したらホームへ向かいますが、空港以外の駅に改札はなく車内でのチケットのチェックがあります。行先によってホームは分かれていないので、どのホームに自分が乗りたい電車が来るかは電光掲示板で確認する必要があります。国鉄列車の入り口は狭くベビーカーやスーツケースを乗せるのは大変なのに、停車時間は短いです。スムーズに乗り入れられる準備をして電車を待つと良いでしょう。

ベルギーに乗り入れている国際列車

ベルギーはオランダ・ドイツ・フランス・ルクセンブルクと面しているため、国際列車の乗り入れが多いです。またこれらの国がシェンゲン条約に加盟しており国境検査が不要なため、電車に乗ってさっと国外へ出られてしまうのは日本人には不思議な感覚です。

ベルギーから近隣国へ行く場合、手荷物検査・出国手続きのために出発よりかなり早く空港に到着する必要のある飛行機よりも、鉄道の方が便利なことも多いのです。国際列車はブリュッセル中央駅に停車せず、ブリュッセル南駅・ブリュッセル北駅に停車することが多いでので、停車駅をきちんと確認しましょう。

BAR列車がある国際列車が多いので、車内で軽食や飲み物を買うことができます。またEuro starやthalysなどの一等車は駅のラウンジが利用可、車内での食事サービス付きといったメリットがあります。一度、利用してみたいものです。

国際列車の種類

①ベネルクストレイン(Train Benelux)

ベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの3か国のこと)と言いつつ、2019年時点でルクセンブルクまで繋がっておらず、ブリュッセルとオランダのアムステルダム、デン・ハーグを結んでいます。ベルギー国鉄のIC(特急列車)と同格であり、ベルギー国鉄にてチケットを買うことができます。

②ドイツ国鉄(DB)の高速鉄道ICE

ブリュッセルからドイツのケルンへ2時間、フランクフルトへ3時間で行くことができます。

③Euro star

ブリュッセル南駅から2時間ほどでドーハ海峡を横断して、イギリスのロンドン(st. pancras駅)まで行くことができます。イギリスはシェンゲン条約に加盟していないため、ブリュッセル南駅のEuro star専用入り口を進むと飛行機に乗る時と同じような手荷物検査・パスポートチェックがあります。他の国際列車と異なり「国外へ行くんだ!」と感じることができます。

④フランス国鉄の高速鉄道TGV

ブリュッセルからフランスの都市(リール・ストラスブール・マルセイユなど)へ行くことができます。

⑤Thalys(タリス)

ブリュッセル(南駅)からフランスのパリ(北駅)へ行くのであればThalysが便利です。ブリュッセルからパリだけでなく、オランダのアムステルダムや、ドイツのケルンへ向かう列車もあります。

Thalysはフランス国鉄が60%、ベルギー国鉄が40%の株式を保有するThalys International社が運営しています。フランスのTGV車両を基本とする真紅色の車両が目立ちます。

⑥国際列車のLCC(格安航空会社)!?『izy』

着席保証なしであれば10€(9/13現在、1ユーロ=119.74円)でブリュッセル南駅からパリ北駅へ行くことができる!と話題の『izy』。ブリュッセル、パリ間の高速バスに対抗するため、Thalys子会社が2016年4月に運行を開始しました。

Thalysでは前売り券が41~52€、当日券99€であるのが、izyだと前売り券19€(着席保証あり)、当日券59€です。ただ、Thalysは1時間25分で着くところ、izyは2時間10~30分かかります。Thalysは一日18往復しているので都合の良い時間帯を選べる一方、izyは一日2~3往復ですので利便性はThalysの方が高いです。izyは大きなスーツケースが有料というのもLCCに似ています。子連れ旅行には不向きでしょうが、大人のみの短い旅行であればizyを使ってみたいです。

ヨーロッパ&ベルギーの鉄道の過去・現在・未来

ベルギーの鉄道の歴史を学べる『Train World』という施設がブリュッセルにあります。フレミッシュ=ネオ=ルネサンス様式の『schaerbeek駅』旧駅舎に2015年9月、オープンしました。蒸気機関車、世界大戦中の列車、王室お召列車などの歴史ある列車だけでなく、現代のThalys、Euro starまで展示されています。

『Train world』へ行くと世界各国で当たり前のように普及している鉄道が、そもそもはイギリスの産業革命から始まっているということを実感します。

日本では超電導リニアの実用化に向けて研究が進められており、またヨーロッパではizyのような低価格路線が登場し、世界の鉄道は未だ完成系ではなく、まだまだ進化するのだろうと感じます。

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