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【第21回】日本とは全く違う、インドの水事情

2019.11.07

日本とは全く違う、インドの水事情

転勤族の妻(略して転妻)がお届けする『現地発』のリアルリポート、今回はインド在住「TKT48」広報部海外メンバーのsayokoが、インドの水事情についてお届けします。

インドの水道水は世界最悪レベル

日本は数少ない「水道水を飲むことができる」国です。常時飲用するとまではいかなくても、問題なく口をゆすぎ、「水=清潔なもの」として、手洗いや料理に直接使用できます。

しかしインドでは、日本人にとって清潔なはずの水で命を落とす可能性があります。水道水の汚染度は世界最悪レベルで、日本の数十倍以上の汚染度とも言われています。清潔な状態にするために手を洗おうとしても、その手洗いの水が既にひどく汚染されている状態といえます。

どんな『水』があるの?

【インドの自宅に備え付けられている水】


① 水道水

大人の食器の洗浄やシャワーに使用しています。

飲用はおろか、日本人はうがいなどで口に含むことも避けた方が良いと言われています。

② フィルターウォーター(浄水器)

水道水をろ過したもので、キッチンに水道水の蛇口とは別に備え付けられています。定期的なフィルター交換が必須であり、また少量ずつしか使用できませんが、飲用できる数値までろ過されているらしく日本人でも飲用している方も見かけます。我が家では主に野菜の洗浄や、子どもの食器のすすぎに使用しています。

③ ウォーターサーバー

本体は中流以上の家庭にはどの家にも設置されており、上に載せる水が入ったレフィル容器を購入して使用します。しかし、水が入っている容器そのものがすごく汚れていたり、中身の水も綺麗とは言い難い環境で補充されています。歯磨きやうがいなど、口には含むけれど飲み込まない時に使用しています。


【インドで販売されている水】


① PACKEGED DRINKING WATER (通称:ボトルウォーター)

インドで販売されている最も身近な飲料水です。飲用に加え、料理全般に使用するため我が家では常に2ケース以上常備しています。天然水などではなく、水道水を高度にろ過した水ですが、我が家の3歳の息子も問題なく飲用しています。

② ミネラルウォーター

外資系ブランドやヒマラヤの天然水などが販売されていますが、ボトルウォーターと比べて高価なため、日常的には購入しません。

その他にも、フードコート等に飲料水が設置されたり、街中で飲料水スタンドも見かけますが、日本人は利用することはほぼ無いかと思います。

我が家の『水対策』

手洗い・料理・シャワーなど水は生活必需品であっても、人体に入りこんでしまうリスクは多く潜んでいます。汚染された水を飲まなくても、シャワーや歯磨き、また飲食店などで意図せず口にしてお腹を壊すケースも耳にします。特に赴任・帯同当初は「水が合わず」体調を崩す方も頻繁に見受けます。

特に我が家は息子を生後3か月からインドで育てているため、神経質になっている面も否めませんが、成長とともにどの程度までなら許容できるかを見極めてきました。

息子が2歳になるあたりまでは、お風呂で顔を洗う時は水道水ではなくウォーターサーバーのお湯で洗う、ボトルウォーターでも一度沸かしてから飲ませる、食器類は全てフィルターウォーターで洗う、息子の手もフィルターウォーターで洗うなど、息子に対して過剰に対策をとっていました。

現在では上記ほどではなく、水道水で手を洗わせ、お風呂の際もシャワーのお湯で顔を洗いますが、フォーク類・ボトルマグなど直接息子が口をつけるものはフィルターウォーターで洗うようにしています。それでも水道水で洗ったばかりの水滴が付いている手を舐めるなどすると、その程度であれば問題がないと理解していても心配になってしまいます。

私自身は、特に調理中は神経を使っており、水道水ではなく必ずフィルターウォーターで手を洗い、できる限り水滴ですらも料理に入らないように心がけています。

聞いた話だと、大人用であっても食器を水道水で洗った後、必ずフィルターウォーターですすぐという方もいれば、フィルターウォーターで日常的にお茶を沸かしたりしている方、歯磨き程度なら問題ないと水道水で口をゆすぐ方もいらっしゃいます。

どのレベルで線引きをするかは各家庭状況や個人の感覚よって異なるため、こればかりは自身が妥協できる点を見極めるほかありません。

インド人にとっての『水』とは?

日本では、自宅のウォーターサーバーはもちろん、水道水やフィルターウォーターであっても『我が家のもの』という概念です。しかし、インド人にとって、水は『共有物』であると考えられています。

諸説ありますが、インドでは昔からの厳しい衛生事情から、清潔な水は大変貴重であり「命をつなぐ大切なもの」と考えられているため、このような概念が産まれたのではないかと言われています。

我が家では帯同当初、住居の大規模な掃除を行う際に清掃員が数名我が家にやってきました。その時、全員が許可を得るでもなく、ウォーターサーバーの水を勝手に飲み始めたのです。また夫も、所属しているスポーツチームの試合へ行ったところ、置きっぱなしにしていたボトルウォーターが誰かに飲まれていた形跡があったそうです。

後者のようなケースは注意も必要ですが、前者の場合は、彼らはあくまで『共有物』である水を飲んだに過ぎないのです。そのためインド人は、ボトルウォーターを直接飲むときには、口をつけてしまうと他の人と水を共有することができないので、口をつけずに飲んでいるシーンをよく見かけます。

またお手伝いさんが、雇用主の家で毎日自身のボトルにフィルターウォーターやウォーターサーバーの水を入れてもらうことも珍しいことではありません。日本人の感覚からすると、「水くらい自分で調達してほしい。図々しい」などの感情を抱いてしまいがちですが、お手伝いさんたちの大半は、毎日20ルピー(約35円)の水を購入することが難しい人々なのです。

日本で生活をしていると水に関して大きく意識を向けることは特にありませんでしたが、インドでは『人の命を救うも奪うも水である』ということを肌で実感する毎日です。

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