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アメリカ│個人所得税・確定申告

2019.12.12

アメリカ│個人所得税・確定申告

アメリカでは、日本の年末調整とは異なり各個人が対政府と税金の清算を行います。

そして、日本の税制が源泉分離であるのに対してアメリカでは総合課税となっておりますので、一ヵ年の所得、経費、税額控除等を算出し確定申告することになります。下記に、最低限抑えておかなければならない点を簡単にまとめましたので、ご参考頂ければ幸甚です。

A)確定申告の提出期限

4月15日(土または日曜日に重なる場合は翌月曜日。延長申請書を提出することで10月15日まで申告期限の延長が可能です。申告期限日までに申告書を提出しない場合、追徴額に対して遅延申告として納付日までのペナルティおよび延滞納付税が課せられます。そのため、4月15日までに税務データが揃わない場合は、一旦予定税額を算出し延長申請書と一緒に納付してください。申告期限を延長し、すべてのデータが揃ったところで税額を確定させ、それから申告書を提出するようにするほうが、何かと利点が多いものです。

B)課税となる所得

1. 給与所得−米国版源泉徴収票(様式W−2)

雇用主は毎年1月31日までにW−2を発行します。総所得を確認し、エラーがある場合は、直ちに担当者へ報告し、W-2Cを発行するよう依頼してください。

2. 利子・配当所得(様式1099 INT・DIV)

たんす預金ではなく銀行等、金融機関に貯金している場合は、様式1099が発行されます。ただし、利子が10ドル以下の場合は発行されないことがありますので、銀行のBank Statement を参考に額を記入します。また、日本の金融機関からの所得についても報告する義務があります。

外国の口座については、全口座の合計が1万ドルを超過する場合は、外国預金報告書を提出する必要がありますが、その報告義務を故意に怠った場合は、10万ドル、もしくは口座残高の50%のいずれか大きいほうがペナルティとして課せられますので注意が必要です。

3. 州政府の前年度還付金(様式1099 G)

前年度の州税をScheduleA(Itemized Deductions) で控除した場合で、州政府より還付金が送られた場合は、その額の全額または一部を課税所得として報告します。

4. その他の所得(様式1099 MISC、1099 R etc.)

その他、不動産賃貸所得、ローヤルティ所得、退職金所得、ギャンブル所得、個人積立退職金取崩し等が発生した場合は、それぞれの所得に応じたフォームが発行されます。



C)控除できる経費

1. 住宅ローンの支払利息 

外国に所有する不動産の住宅ローン利息も控除の対象になるので、支払い先の金融機関、返済表などの資料をお取り寄せください。返済表を一旦入手するとローンの借換えを行わない限り毎年、同じ返済表から利息額のみを計算し、作成者に提示します。

2. 州税、地方税(または消費税)

その年に支払われた州・地方所得税または、消費税のいずれか大きい額が控除できます。

3. 寄付金

認可された事前団体に寄付した場合は、その寄付金のログを作成、または、証憑を入手するなどして金額をまとめます。

4. その他の控除

その他、医療費控除、災害・盗難控除なども、条件を満たせば対象になります。



D)その他の注意点

1. 社会保険番号(SSN)を取得できない日本居住の配偶者は、個人納税者番号(ITIN)を申告と一緒に申請することで、夫婦合算申告を選択できます。アメリカに住んでいなくても申告に必要とされるデータは必ず提出するようにしましょう。

2. 外国税額控除の算出の基礎となる勤務

国ですが、外国出張日から、いつどの国で何日勤務したかを申告書作成者へ提出してください。これは駐在員特有の税制であり、節税が最も見込めるところでもありますので、注意が必要です。



最後に、アメリカ在住の外国人の場合は、アメリカ市民と異なった税制が適用されるため、作成者により税額が大きく異なってきます。したがって、日米の税制に精通した税理士を選択されるよう心掛けたいものです。

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