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【第61回】ブルキナファソでのラマダン(断食)

2021.06.14

ブルキナファソでのラマダン(断食)

転勤族の妻(略して転妻)がお届けする『現地発』のリアルリポート、今回はブルキナファソ在住「TKT48」広報部海外メンバーのAikoが、イスラム教の宗教行事「ラマダン」についてお届けします。

ラマダンとは?

ラマダンとは、イスラム暦の9月のこと。

ラマダン中に、ムスリムの人たちが日の出から日没まで飲食を断つ修行を行います。

今年は、4月13日~5月12日に行われました(国により多少前後します)。

ブルキナファソのラマダンには、個人差がある?

ブルキナファソは、イスラム教徒(ムスリム)が人口のおよそ6割を占めているため、断食を行う人がたくさんいます。とはいえ、ブルキナファソに暮らすイスラム教徒全員が、日中の断食を行うわけではありません。

まず幼児や妊婦、病気の人、高齢者は免除されます。基本的に健康な人は断食を行うことになりますが、ここブルキナファソでは、断食のルールは人それぞれのようで、個人差が見受けられました。

「何かが喉を通ること」がよしとされていないため、厳格に行なっている人の中には、飲食はおろか、唾まで吐き出す人もいます。しかし同じムスリムでも、日中に食事を取る人を見かけることも度々ありました。

私のムスリムの友人は予め曜日を決め、「水曜日は断食をしないから、ラマダン中でも一緒にランチに行けるよ」と連絡をくれました。彼女は水曜日に断食を行わない代わりに、「金曜日に貧しい人へ食事を施す」というルールを決めていたようです。

ラマダン中に限らず、ブルキナファソにはイスラム教でタブーとされているお酒や豚肉を口にするムスリムの人もいれば、一切口にしない人がいるなど、信仰度合いに個人差があります。

過酷な環境でも水すら飲まない

今年のラマダンは、上述の通り、4月13日~5月12日でした。

ブルキナファソの4月というと、乾季の終わりで最も暑い時期。最高気温は連日40℃を超え、10月から雨が降らず、非常に乾燥しています。車の温度計には、46℃や48℃と表示される日もあります。

病気の人は免除されるとはいえ、いくら健康な人でも40℃を超える中、水を一滴も飲まずに断食を敢行するのは容易ではないはずです。

体力温存中?やる気のない人が続出

ラマダン中は日の出から日没の間に断食を行い、日没後から日の出までの間は、食べたり飲んだりできます。日が沈み、日中の断食が終わると、フルーツやデーツ(ナツメヤシの実)、牛乳から食事をとり始めます。断食後の最初の食事は「イフタール」と呼ばれます。

我が家のお手伝いさんは、イフタールの準備のため、ラマダン中はいつもより早く帰宅していました。朝食は、日の出前に済ませなければなりません。彼女は22時に就寝、朝3時に起きて朝食の準備をし、彼女の家族も4時に起きて、朝ごはんを済ませていたようです。

ラマダン中、彼女は午前中の涼しいうちにさっと働いて、午後はほとんど寝ていました。明らかにやる気のなさそうな日もありました。そんな時も必要最低限のこと以外は、「ラマダン中だから仕方ない」と目をつむるようにしていました。朝3時に起きて、日中飲食をせずに働くのは容易ではないということは、非ムスリムの私にも十分に理解できるからです。

外に出てみると、日中は木陰で寝たり、休んだりしている人をよく見かけました。お店の人たちもどことなく疲れていたり、気怠そうな雰囲気が漂っていたりと、心なしかやる気のない人が多い印象です。

ラマダンがレストランやスーパーの営業に影響することはほとんどありませんが、「お店の人がムスリムだったら、目の前で飲み食いするのは申し訳ないな」と何となく気が引けてしまいます。そんなこともあってか、日中に外出する機会が自然と少なくなっていきました。

駐在家族として暮らす私たちの関わり方

ラマダンは一見、非ムスリムの私たちにとっては無関係の宗教行事のように思えます。

しかし実際には、私たちの日常生活に影響するところが多々あります。

日中断食しているお手伝いさんとは、ほとんどの時間を家で一緒に過ごしています。仕事や学校に行っている夫や子どもたちよりも、長い時間を共にしています。

彼女は長年、日本人家族のもとで働いているので、断食中に私たちが飲食することには慣れています。「気にせずに食べていいよ」とも言ってくれます。それでも酷暑の中、水を飲めない彼女の前で、冷たい水やジュースを飲むのはどこか申し訳ない気がして、キッチンの片隅にこっそり隠れて水を飲んだり食べたりしていました。

たとえ宗教が異なっても、ほんの少し相手のことを思いやって理解しようとし、行動することが、駐在家族としてこの地で暮らす私たちにできることではないかと思います。

---- 5月13日、ラマダン明けの祝日。ムスリムではないけれど、身近な人たちの過酷な1カ月をすぐ傍で見てきたので、私も安堵し、何だかお祝いしたいような気分で、今この原稿を書いています。

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