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【第63回】治安の悪い部分もある、ブルキナファソに暮らすとは

2021.07.21

治安の悪い部分もある、ブルキナファソに暮らすとは

転勤族の妻(略して転妻)がお届けする『現地発』のリアルリポート、今回はブルキナファソ在住「TKT48」広報部海外メンバーのAikoが、ブルキナファソの治安についてお届けします。

私たちが暮らすブルキナファソは、2015年以降、治安が急激に悪化しています。6月はじめにブルキナファソ北部で160人が死亡する襲撃事件があり、日本のメディアでも大きく取り上げられました。

今回は、治安の悪い国での日常生活や日頃の対応策と、そこで暮らして感じる思いを綴ってみようと思います。

ブルキナファソの治安について

ブルキナファソは元々、一般犯罪が少なく「治安の良い国」として知られていたそうです。

しかし2015年以降、北部や東部を中心にイスラム過激派組織などによる襲撃や誘拐が相次ぎ、治安悪化の一途を辿っています。2021年3月には、国内避難民の数が120万人を超えました。

(データ参照元:https://data2.unhcr.org/en/country/bfa)

私たちが暮らす首都のワガドゥーグーは国の中心部にあり、比較的落ち着いています。とはいえ、2017年に暮らし始めてから、首都でも大規模テロが2回発生し、外国人を含む多くの方が犠牲になりました。

ブルキナファソに赴任して、まだ間もなかった頃。家探しを終え、ホテルから新しい我が家に移り住んだ初めての週末に、タウン中心部のレストランでテロが発生しました。我が家で過ごす初めての週末に安堵していたところ、夜遅くに大使館から安否確認の電話が来て、不安になったことを今でも鮮明に覚えています。

年々、外務省の危険レベルが引き上げられ、首都では常に大規模テロが警戒されるようになりました。治安悪化に伴い、家族帯同不可とする企業や組織が増え、日本人の駐在家族はみるみる減っていきました。

制限のある日常生活

治安が悪いため、私たちの日常生活には制限があり、気をつけていることが多々あります。

<当たり前になったこと>

・全ての窓に鉄格子がついた家

・病院やレストランの二重扉

・首都からほとんど出られない暮らし

・夜間の一人歩きは絶対にしないこと

・大きなスーパーでは銃を持った警備員が待機し、入店時には金属探知器で全身と荷物をチェックされること

銃を持った警備員があちこちにいる生活や、二重扉の病院やレストランにもすっかり慣れましたが、気は抜けません。

<気をつけていること>

・大使館からの安全情報や注意喚起メールには必ず目を通す

・危険と言われているところには、絶対に近づかない

・人混みや外国人が多く集まる場所は避ける

・外国人が多く集まるレストランへ行ったときには、緊急時に逃げられる出口を見つけ、その近くに席をとるようにする

こんなことが当たり前の生活になって、4年が過ぎました。

夜間に外を出歩くことがないため、一時帰国中の夜に外を歩くときには、罪悪感すらおぼえるようになりました。

また、首都を離れた国境付近の治安が、特に悪化しています。

例えば、首都の南にあるティエベレという幾何学模様が描かれた伝統集落のある村。南西部にあるバンフォラという町には、ブルキナファソ唯一の滝や雨風の浸食によってできた奇岩群など美しい自然が見られます。

しかし、「観光」と「安全」を天秤にかけると、観光地として有名なこれらの場所を訪れることはできません。

駐在家族として暮らして感じる思い

ここまでブルキナファソの治安の悪さについて長々と述べてしまいましたが、ブルキナファソの治安について書くことは、あまり好きではありません。治安の悪さ『だけ』が、切り取られてしまうからです。

ブルキナファソが日本のメディアで取り上げられる時は、大きなテロや襲撃事件が発生した場合がほとんど。多くの人が「ブルキナファソ=危険なところ」というイメージを持つと思います。

治安が悪いのは、事実です。

日常生活において、注意すべき点や制限もたくさんあります。

でも、いつも私たちを温かく迎え入れ、手を差し伸べてくれる人たちがたくさん暮らす国だから、「ブルキナファソ=危険」というイメージだけが広がってしまうことが、とても悲しいです。

宗教や政治、経済状況などの様々な要因が複雑に絡み合い起こっている現状に、一駐在家族としてここにいる私にできることは何もありません。

悲しい現実を目の当たりにして胸が痛くなるとともに、同じ国に暮らしながら何もできない無力感に苛まれます。

だからせめて、「隅から隅まで危険で100%の国ではない」ということを、一人でも多くの人に伝えたいと思いました。



こんな状況の中でも明るく笑って過ごす人たちがいて、外国人の私たちを温かく迎えてくれる人たちがたくさんいます。子どもたちは、今日も目の前にあるものをおもちゃにして、元気一杯の笑顔で走り回っています。

この4年間、私たちにブルキナファソの文化を教えてくれ、困っている時に手を差し伸べてくれた人たちがたくさんいます。

もし、また日本でブルキナファソの悲しいニュースが報道された時には、ブルキナファソの温かい一面も思い出してもらえたらうれしいです。そんなことを願いながら、今回のコラムを終えたいと思います。

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