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Episode2│頑張って手に入れた海外赴任。しかしまったく新しい制度ができて...【前編】

2019.06.12

赴任地:ロンドン│頑張って手に入れた海外赴任。しかしまったく新しい制度ができて...【前編】

株式会社フレックスコミュニケーション代表、プロコーチの播摩です。

これから毎回、前後編で海外赴任者の体験談を掲載します。

Episode2は、国内外に15拠点あるIT企業で働く女性マネジャーの堀越さんです。

仕事内容は営業で、赴任先はロンドン。駐在員になって現在3年目の堀越さんに、インターネットテレビ電話でお話を伺いました。

海外赴任のために頑張り続けた20代

海外勤務を希望して当社に入社する社員は多いと思います。

私もそうでした。

入社したときからTOEICを受け続けていましたし、真面目に仕事をしてまずは上司に信頼され、本社で認められるために頑張りました。私は入社9年目には長期出張で海外勤務の実績を積み、その後12年目にロンドン勤務になりました。途中でリハーサルを行なってみて、会社が大丈夫と判断し、やっと、というところです。

同僚はみなそうして「海外で働く」という切符を手に入れていたと思います。ですから、以前の日本人駐在員は早くても30代半ばの人がほとんどでしたね。

数年前当社は、非管理職で30歳以下の社員を対象として、1年間海外に赴任させるという研修制度を打ち出しました。本人が希望して海外支店側もOKであれば、研修期間修終了後駐在員として残ることが可能なのです。これは中期経営計画のなかで海外での実務経験者の目標値を設定したからなのです。

表向きはグローバル人材の育成と謳っていますが、実は、それを標榜することで優秀な新卒をリクルートすることや、中途入社でも海外赴任のチャンスがあることをウリにするため、つまり人材確保の手段だと社内ではささやかれていました。採用のホームページや、企業説明会で配付するパンフレットにも、この制度は大々的にとりあげられていますから。

選考は日本の人事、日本と海外の役員によるもので、研修生を受け入れ、面倒をみる私たち、つまり現場レベルは関与していません。書類選考・面接共に新卒の採用面談のような感じで、実務経験よりも志望動機や英語力がメインの選考基準であると聞いています。また、どの拠点にどのメンバーを送るかは、最終的に人事が決めています。

実際、20代の入社4、5年目の社員に「ロンドンで何ができますか」と聞いてもリアルなプロジェクトや施策の話にはならないだろうと推測します。

去年、その制度を利用した研修生が、小規模のロンドンオフィスになんと二人も来ました。

二人とも男性で、入社5年目の三田くんと、なんと3年目の本郷くんです。3年目で海外勤務なんて、私が若いころそんなチャンスを与えられたら涙を流して喜んだでしょうね。

ロンドンの駐在員は10人です。

現地採用者も入れて平均すると、年齢は40歳くらいでしたが、一気に30歳代に下がりました。

理解しがたい若年者

初日、皆の前で自己紹介すると、三田くんは「まだ未熟で不慣れな部分も多いですが、よろしくご指導ください」となかなか神妙な挨拶でした。

本郷くんの自己紹介は、家が東京港区で、偏差値が高く名の知れた国立大学の大学院出身。大学院での研究実績など、スペック自慢で終始しました。おそらく人事も役員もそこに可能性を見出したことで、入社3年目での駐在となったのだろうと、私は思いました。二人とも自分の幸運を喜んでいるとか、やる気が漲っているという様子がなく、私は少し拍子抜けしたのです。

二人にはそれぞれ仕事を任せました。

三田くんには顧客の業界についてリサーチを行なうように指示しました。

その日、手持無沙汰な様子なので確認すると「はい。あれは2時間前に終わりました」とのこと。「 で、今まで何をしてたの?」と質問すると「待っていました」と臆面もなく言うのです。

三田くんは、次の指示を受けにくることなくただ待っていたのです。本社では積極的に「取り」にいかなくても仕事が与えられてきたために、自ら動くということが分かっていないのです。仕事ぶりは悪くないので、やる気がないわけではなさそうでした。

ただ、アグレッシブだった私自身と比べるとあまりにも違っていて、隔世の感をもちました。そして彼らが「会社に育ててもらえる」と思っているとしたら、支店はたぶん期待外れだろうと危惧したのです。

また、あるときローカルスタッフが、社内の経営会議に使う資料作成を頼んだときには「そのレポート、5分程度ということですが、何文字、何行で書いたらいいでしょうか?使うグラフは、円グラフでしょうか。レーダーチャートでしょうか」と三田くんはタスクに対してこと細かな指示を仰ぐのです。目的や参加者、所要時間といった情報は与えているわけですから、もう少し自分で案を練ってほしいものだと、横で聞いていた私は感じました。

質問しないで突っ走られるのも困りますが、極端な質問攻めも手に負えません。三田くんに仕事を振ったスタッフも「それなら自分でやったほうが早い!」という顔をしていました。

海外支社のスタッフは中途採用で入社してくる経験者ばかりなので、日本のように新人に対して懇切丁寧にOJTを行なうことは期待できないのです。本社は今まではそんな事情もよく理解していて、国内である程度経験を積み、自走できる水準まで育ててから駐在させてきたのだと思います。

そして、本郷くんにいたっては、一年を待たずに帰任することになってしまいました(リンク:後編へ続く)。

フレックスコミュニケーション 

海外赴任者対象コーチングとは?

海外赴任が決まったら、まず何を行ないますか?

各種手続き、子供の教育機関の手配、自分の健康管理、赴任地の文化の勉強などに時間をとられている間に、あっという間に出発日になってしまうことは多いのです。そんな赴任者は「出発日になっても実感がない」「向こうに行ってから成果を上げられるか心配」などと言います。

それは

「何を求められて赴任するのか」

「本社とのコミュニケーションはどうしたらいいのか」

「帰任までにどういう成果をあげたらいいのか」

など業務上の不明確な点を抱えたまま旅立ってしまうことに原因があります。

生き馬の目を抜く海外市場で、「日本人は、着任後3ヶ月以上仕事をしない。あいさつ回りで無為に時間を費やす」という評価があります。単なる交代要員として気楽に赴任するために、海外市場の中で競合に遅れをとっているのです。

同様に、数年間、目標なく駐在してきたために、「帰任時」にウツに見舞われている人も増えています。

在任中目立った成果を出せず、日本国内の事情に疎くなっていることが原因の1つです。

これらの問題を解消し、海外在任中に成果を出し、帰任後も充実した業務を継続するために

プロコーチがサポートをするのが「海外赴任者対象コーチング」です。

※上記画像をクリックすると詳細な内容がご覧いただけます

【こちらのコンテンツもご覧ください】

リンク:Episode1│飲食業マネジャーが、日本式マネジメントを諦めた日【前編】

リンク:Episode1│飲食業マネジャーが、日本式マネジメントを諦めた日【後編】

リンク:Episode2│頑張って手に入れた海外赴任。しかしまったく新しい制度ができて...【後編】

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