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グローバル研修 中村 好伸 人材育成 日本

【前編】赴任前に知っておきたい異文化対処法

2018.08.13

文化に違いはあっても優劣はない

 皆さんは文化という言葉はよくご存知ですし、よく使っていることでしょう。でも文化とは何かを説明しろと言われたらどうしますか?広辞苑には「人間が自然に手を加えて形成してきた物心両面の成果。衣食住をはじめ科学・技術・学問・芸術・道徳・宗教・政治など生活形成の様式と内容とを含む」と書かれています。このグローバル化の時代に異なった文化の人々とどのようにお付き合いするのかが異文化対応です。

 オランダの学者ホフステードによれば、文化というのは図の通り人間のメンタル・プログラミングだと言われています。普遍的な人間性の上に小さい時からかなり長い時間をかけて「学習」した、国や地域・職業・特定集団やカテゴリーに特有の性格を「文化」と彼は定義付けをしています。したがって国や地域ばかりでなく、組織・会社にも文化というものが存在します。

 ただし、ここで注意しなければいけないのは、文化に優劣を持ち込むと問題が起こることがあるということです。好き嫌いはあるかもしれませが、文化が優れている、劣っているということは決してありません。まず文化に違いがあることを認識し、その上で優劣はないのだということをしっかり理解する。そして一番大事なことは、遺伝と学習が複合化された結果とも言うべき各自に特有の「パーソナリティ」、結局は個人の人間性というところに帰着するのだということです。

 文化というものはシンボル、ヒーロー、儀礼というかたちで表面に出てきますが、実は中心にあるのはそのグループのもつ価値観です。一番変化しにくいものが価値観であり、したがってその集団が持つ価値観を学ぶことが異文化交流の有効な手段になるのです。

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アメリカへの憧れと異文化体験

 私の初めての異文化体験は、アメリカへの憧れから始まりました。子どもの頃、近所にアメリカ人が住んでいて、庭にはブランコがあり、遊んだ後によく HERSHEY'S のキスチョコや漫画の入ったピンク色の風船ガムをもらってうれしかったことを覚えています。自分の生活とのあまりの違いに、アメリカへ行って住んでみたいというアメリカやアメリカ人の生活への憧れがこの頃に芽生えました。そして、学生時代にアメリカへ行くチャンスをつかむことができました。

 初めてのアメリカ体験は素晴らしいものでした。サンフランシスコ郊外のマウンテンビューという町で1カ月過ごした思い出は忘れられません。中にはプール付きの家に住んでいる家庭があるなど、日本からは想像できない生活レベルがあることにも気付かされました。このアメリカ体験の中で2つの夢が実現しました。1つはまだ日本にはなかったディズニーランド訪問。本当に広くてきれいで、日本で見たこともないアトラクションがたくさんあって、素晴らしい遊園地というよりまさに夢の国に来たようでした。

 もう1つは友人のホストファミリーから夕食に誘われ、なんと自家用飛行機でナパの飛行場にあるステーキハウスに連れて行ってもらったこと。セスナに乗れただけでも感激なのに、ナパからの帰りに操縦かんを握らせてもらいました。もちろん離着陸はお父さんが行いましたが、上空で安定飛行に入ったところで操縦を任せてくれました。

 夕焼けの茜(あかね)空のサンフランシスコ湾は本当にきれいでした。順調に飛行していると目の前をTWA航空の大型旅客機がサンフランシスコ空港に向かって高度を下げてきたため、管制塔からの指示で高度を変えて旋回、すごく強烈な思い出になっています。地上に降りた時にはまさに緊張のあまり、手に汗握るというか汗びっしょり。 この2つの体験からアメリカのすごさを学び、もう1度絶対にアメリカに来よう、いつかアメリカで勤務したい、という新たな希望が生まれたのを覚えています。

→【後編】赴任前に知っておきたい異文化対処法


【本稿は、月刊グローバル経営 2017年7月/8月合併号に掲載した内容です。】

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