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Episode3│インド人はおしゃべり好き?【前編】

2019.07.23

赴任地:アーメダバード(インド)│インド人はおしゃべり好き?【前編】

株式会社フレックスコミュニケーション代表、プロコーチの播摩です。

前回(Episode2│頑張って手に入れた海外赴任。しかしまったく新しい制度ができて...【前編】)に引き続き、海外赴任者の体験談を掲載します。

Episode3は、日本の大手メーカーで働く浅沼さん、40歳男性です。

赴任のミッションは明確で、新規に立ち上げたアメーダバードの支社を拠点として、インド国内で、製品をPRし拡販することでした。すでに帰任している浅沼さんと東京で面談しました。

右肩上がりのインドでのビジネスに自信満々だった

入社当時は工場の工程管理を行なっていました。

その後営業に異動になり、2007年にインドのアメーダバードに赴任が決まりました。そこの支店の立ち上げで、駐在員は私ともう一人だけ。2年先輩で技術畑のAさんでした。上司からは、インドの国中のエンジニアリング会社を訪問して当社製品の販路を開拓するようにという明確なミッションが告げられました。

未知の土地での生活、なにもかも二人だけで行ない軌道に載せなくてはならないことに緊張と不安はありました。しかし、当時インドは、経済発展にともない電力需要が拡大し、供給量が追いついていないため慢性的な電力不足が続いていました。今もそうですが、大規模な停電がたびたび起こっています。

当時民間企業を新規参入させ、電力不足を解消することが期待されていたのです。

当然、市場はそこに確実にあるわけです。これから発電所の建設ラッシュがやってくるはずだということで、わが社は発電所建設に使用する製品の販売に力を入れようとしました。私自身も、発電所に絡むものだけではなく販路の拡大には意欲満々でした。右肩上がりのインドでは、当社の製品の需要は必ずあるわけですからね。そしてすべては、私自身の営業スキルにかかっていると思いました。そのときは自信がありました。

私はプレゼンの中身をパーフェクトにしようと綿密に準備を進めました。赴任前から原稿を英語で書きはじめました。インドには英語を話せる人が多いです。ヒングリッシュ英語と呼ばれていて、発音が独特なので、慣れるまでは分かりにくいことが多いですが、私は不自由しない程度に理解できました。

想定される質問もあらゆる可能性を考えて抽出しました。Aさんと相談し、どこから突っ込まれても隙のない想定問答集をつくったのです。出発前には上司につき合ってもらってプレゼンの練習と原稿の推敲を何度も繰り返しました。上司も「浅沼、これなら大丈夫だ。インド人でもなに人でも、きっと当社の製品に魅力を感じてくれるよ」と言って、期待を膨らませました。

赴任する航空機のなかでも、その原稿を暗記しました。と言うのはAさんが英語に自信がなく、技術的なことに関する受け答えも私自身がなんとかしなくてはならないと思っていたからなんです。

とにかく早く契約を取りたいという気持ちばかり先走っていました。営業経験のある人なら分かると思いますが、まず1本契約がとれたら精神的に楽になれるのです。

意気込むほど成果は遠のく

1社目のプレゼンには、20人くらいの聴衆がいました。予想より大勢いたので、これは関心の現れであると思い「よし、やるぞ!」と意気込みました。なにしろプレゼンの予習はばっちりです。

私は「インドは今後飛躍的に経済が発展するでしょう。この経済成長を勢いに乗せるためにも優れた工業製品は必須である。御社が競合に勝つためには当社の製品が魅力的である!」と、熱く説明を始めました。

しかし、私が話をしている途中に、聴衆から製品とは全く関係のない質問が次々と出てきたのです。たとえば、「お前の会社の工場がある街の人口はどれくらいだ?」、「お前の会社のライバル会社はどこに工場をもっているんだ?」などです。

日本のビジネスではプレゼン中に、そんな質問でさえぎるなんてありえません。この違いにまず私は先制パンチを食らいました。インド人の聴衆は、不用意な質問でプレゼンを何度も中断するので、私はとうとう冷静さを失い「まずはこちらが説明をするからそれを聞いた上で質問をしてくれ!」と依頼しました。しかし、大声を張り上げても状況はかわらず、予定時間を大幅にオーバーし、タイムアップになったのです。言いたいことの3分の2も伝えられませんでした。

聴衆からは結局、製品に関する質問はなく、契約についても色よい反応はありませんでした。

Aさんはというと、終了後、インド人の雑談に拙い英語で受け答えしていました。いつも通りニコニコしていたので、その姿を私は少し恨めしく感じたのです。

驚いたことに2社目、3社目も同じ状況だったのです。すでに赴任から数週間が過ぎていましたがまったく手ごたえがありません。私は、営業失敗の原因が掴めず、成果も出ずで、心底焦りました(リンク:後編へ続く)。

フレックスコミュニケーション 

海外赴任者対象コーチングとは?

海外赴任が決まったら、まず何を行ないますか?

各種手続き、子供の教育機関の手配、自分の健康管理、赴任地の文化の勉強などに時間をとられている間に、あっという間に出発日になってしまうことは多いのです。そんな赴任者は「出発日になっても実感がない」「向こうに行ってから成果を上げられるか心配」などと言います。

それは

「何を求められて赴任するのか」

「本社とのコミュニケーションはどうしたらいいのか」

「帰任までにどういう成果をあげたらいいのか」

など業務上の不明確な点を抱えたまま旅立ってしまうことに原因があります。

生き馬の目を抜く海外市場で、「日本人は、着任後3ヶ月以上仕事をしない。あいさつ回りで無為に時間を費やす」という評価があります。単なる交代要員として気楽に赴任するために、海外市場の中で競合に遅れをとっているのです。

同様に、数年間、目標なく駐在してきたために、「帰任時」にウツに見舞われている人も増えています。

在任中目立った成果を出せず、日本国内の事情に疎くなっていることが原因の1つです。

これらの問題を解消し、海外在任中に成果を出し、帰任後も充実した業務を継続するために

プロコーチがサポートをするのが「海外赴任者対象コーチング」です。

※上記画像をクリックすると詳細な内容がご覧いただけます

【こちらのコンテンツもご覧ください】

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