在留資格の取得に関する問い合わせが急増中
ここ数年、海外の子会社、関連会社から、ローカル社員を研修として受け入れる場合の在留資格について、問合せを受けるケースが増えています。例えば、以下の例です。
<ある人事担当者からの問合せ>
●対象者:ベトナム子会社のローカル社員(3か月前にエンジニアとして現地法人へ入社。日本での研修を予定している)。
●研修の内容:国内工場で設計開発や品質管理がどのように行われているかを学んでもらう。
●研修期間:1ヶ月から6ヶ月程度(日本での在留資格次第)。
<質問の内容>
1.上記内容で、どのような在留資格が適切か?
2.呼び寄せをする上で、何か法的な制約があるか(業務内容、連続滞在期間、報酬等)?
本ケースにおける申請すべき在留資格の判断とは?
このようなケースで、申請すべき在留資格は何になると思いますか?実は、この内容だけでは、在留資格を判断することはできません。研修の内容、即ち日本での活動内容をより詳しく、確認する必要があります。
例えば、開発部門に配属され、実際に設計の一部を任され、その仕事をしながら上司、先輩社員の指導を受ける場合はどうでしょう?この場合、OJT(On the job training)という扱いとなり、仕事を行っていることから、就労の在留資格(企業内転勤、技術・人文知識・国際業務)を取得する必要があります。
一方でもし、研修の内容が、設計現場の見学や座学による講義、ミーティングへの参加などの範囲で、日本での活動に対して報酬が支払われないのであれば、就労の在留資格は必要なく、90日以内であれば短期滞在(出張者)の範囲になるし、90日を超えれば、研修の在留資格を申請することになります。実際に、就労性があるかないか微妙なケースもありますが、これまで相談を受けた感じでは、ほぼ8割以上のケースで就労性があると認識しています。
企業コンプライアンスの観点からは、短期滞在(査証免除国からの出張の場合、ビザ手続き不要)で来日しながら、実際には就労活動を行っていると判断された場合、不法就労となってしまうため、十分な注意が必要です。「90日以内であれば短期で大丈夫」と誤解されている方がいますが、期間の長短にかかわらず、活動内容や報酬の有無などで判断されます。例えばITエンジニアが来日して、ソフトウェアの開発業務などを行う場合は明らかな就労活動となるため、90日以内であっても技術・人文知識・国際業務など就労系在留資格の申請が必要です。
海外子会社社員を研修で受け入れる時の在留資格を、フローチャートにまとめました。
今回説明したエンジニアのケースは、専門業務・管理職系に分類されます。次回、『海外工場のローカルスタッフを本社工場で受け入れるケース』 では、製造業の現場でオペレーションを行う工場労働者を研修生として受け入れるケースについて説明します。
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