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GLOBAL MOBILITY CONSULTING
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グローバルモビリティにおけるコストのバランス:困難な時のスマートなコスト削減

2020.06.10

グローバルモビリティにおけるコストのバランス:困難な時のスマートなコスト削減

COVID-19によって生まれた新たな生活様式(New Normality)に適応するために、グローバルモビリティにおいても考慮されるべき多くのステップがありますが、その中でも以下の2つのステップは重要と位置付けられると考えます。

第一は海外駐在員とその家族に対する福利厚生サポートの強化の必要です。駐在員の福利厚生を促進することは会社の責任であるだけでなく、今後この部分を軽視すると従業員は海外勤務を望まないでしょう。

第二は多くの企業が直面している厳しい経済状況への対応です。 社内の様々なコストは精査されるでしょう。ほとんどの企業のモビリティプログラムのコストもその"見直しのプレッシャー"の例外ではありません。

経営層がコスト削減に積極的であれば、現状のままのバランスシートアプローチ(従前のインデックスを用いた購買力補償方式)が望まれます。したがって、駐在員の保護強化とコストコントロールとのバランスをとる最良の方法について慎重に考えることが重要です。

AIRINCはこのためのソリューションを準備して、世界的に困難な時期にグローバルモビリティに携わる皆様をリードします。 私たちのフォーカスポイントは、「さまざまな駐在員タイプ(駐在員セグメント)の活用」、「駐在員の福利厚生コストの再配分に対する提案」、および「手当(任地生計費)水準の検討」です。

1.さまざまな駐在員タイプ(駐在員セグメント)の活用

モビリティ全体を見ると、従来からのいわゆる「伝統的な」駐在員がまだ必要です。

つまり、任期は3~5年、最も高いインデックスを用い、それまでの市場の相場に従った様々な手当や補助が付与される赴任パターンです。しかしながらこれらの駐在員は最もコストがかかる傾向があります。

ビジネスの継続性やとクリティカルな業務に対する実行能力を確保するためには、駐在員に赴任を促すためにはこのような絶対的に十分なパッケージが必要です。さらにパンデミックを経験して一部の従業員はすでに海外勤務に対して消極的になっています。

それが私たちがこの本国ベースの、過剰に保護されている赴任パッケージを継続する必要がある理由です。さらに、従来のパッケージは本国ベースであるので従業員は任地で何らかの有事があり、生活や業務の状態が悪化した場合の帰国がより容易になります。

一方で私たちAIRINCはどのようなときにこの伝統的な処遇を用いて、どのようなときにそれ以外の処遇方法が適しているかについて適切に判断することができます。一部の企業はCOVID-19の前に駐在員セグメント別の人材異動のガバナンスをすでに可能にしていましたが、すべてがそうであったわけではありません。 そして今、適切な税制と入国管理の条件がそろえばバーチャルな「赴任」が実質的に可能であることも学びました。

これは、駐在員の派遣目的、現地採用、転籍、バーチャル赴任、またはその他の選択肢の適切なバランスを評価する良い機会です。 実際に「いつ・どのような時に"伝統的な"海外赴任タイプを用いるのか」、「(低コストの)代替赴任タイプ案をいつ・どのような時に使用するか」を知ることは、長期的に見てコストのバランスを取るのに効果的です。

【ケース①】

ジャカルタではCOVID-19対応で必要な医薬品の製造を支援するために、独自の技術スキルを持つ従業員を外部から必要としています。 このような場合、伝統的な外国人向けパッケージのオファーが適切です。一方、ベルギーのヨーロッパHQでは、現地人材で満たすことができない本社機能におけるオープンポジションがあります。

HQにはキャリアを成長させるための選択肢がたくさんあります。本国の市場を超えてしまうほどの能力のある従業員は、自分のキャリアを成長させる余地のあるベルギー本社へローカルパッケージで転籍し、自らのキャリアアップに結び付けることができます。

2.駐在員の福利厚生コストの再配分に対する提案

AIRINCは従業員が海外勤務において感じ得る価値の大部分を各種のコーポレートサポートで代表できるという前提で、その部分を強化する必要があると考えています。 駐在員の福利厚生制度に関するAIRINCの調査によると、駐在員を保護するために会社が能動的に付与するサポート(財務的または個人的に)は、個人裁量によるサポートよりも高く評価されています。

COVID-19により、駐在員はヘルスケアの分野や危機管理プログラムに対する企業のサポートへの期待を高めています。 今こそ、駐在員の価値観を理解し、よりニーズに合ったサポートを追加、維持、さらには増やすことを検討する重要な時期です。

それによるコスト増が懸念される場合、サポート制度の再構築・再配分により、不要なサポートの排除などを検討することで、会社全体の支出のバランスをとることができます。強化が求められるサポートについては各企業が従業員の属性などから最も適切なものを選択することをお勧めしますが、一般的には次の追加または強化を検討する価値があります。

□健康診断

□任地からの緊急避難サポートや休暇制度

□医療保険(海外傷害保険)の拡充

□単身赴任処遇の見直し

もちろん、上記以外の全ての手当やサポートについても、コスト削減の可能性について評価できます。 これにより、最も価値の高いサポートアイテムが保持され、他のサポートは現状維持または削減されるというスマートなコスト管理が可能になります。

【ケース②】

ある企業では現行の規程を見直したところ、有事に対処するように設計されていなかったことを発見しました。

そこで同社は規程に緊急避難のプロトコルを追加し、「それぞれの派遣に適切な健康診断」を実施することにしました。また、一時帰国の旅費が全員ビジネスクラス利用可能とされており、語学研修補助や自動車の売却損といったサポートは一部の従業員しか利用していなかったことがわかりました。

そこで一時帰国休暇のフライトクラスは一律エコノミー利用とし、語学研修補助は縮小され、自動車の売却損補填は廃止となり、それらの費用は既存の支度金で充当することになりました。新しいアプローチのコストは以前よりも少なくなりましたが、健康・安全面の強化によって、駐在員にとってはより多くの価値や納得感をもたらします。

3.手当(任地生計費)水準の検討の検討

「物価差補償」、「任地住宅家賃補償」及び「任地光熱費補償」のレベルをより保守的にすることで、駐在員を保護しながら過剰なコストを削減できます。 AIRINCは生計費インデックス、任地住宅費、任地光熱費のデータにおいて「Expat」「Mobility」「Agility」(*)という3つのレベルをご提案しています。すべてが任地のコストを考慮し、各任地における外国人特有の支出パターンを考慮に入れたものです。 外国人の支出調整の加味度合いは、上記3つのレベルにおいては段階的に低くなっています。(*)日本ではExpat=ILP, Mobility=CLP, Agility=MPRとしてご紹介しています。Expat(ILP)レベルが、外国人特有の生活パターンを最大限に考慮しているデータタイプで、順に低くなっていきます。

以前の"伝統的なインデックス"より抑えたインデックスが利用可能になっている今、一部の企業はまだより高いExpatriateレベルを使用しており、多くの企業はより低いAgilityレベルを採用していません。AIRINCのサーベイでは、16%の外国企業が最も高いExpatriateオプション、43%が中程度のMobilityオプション、7%がAgilityレベルを使用していることがわかります。

いずれのインデックスを利用する場合でも、適切な理論のもとに外国人駐在員の生活パターンを保護しながら、より低いオプションを選択することで会社のコストを節約する余地があります。

【ケース③】

ある会社はオーストリアからアイルランドに駐在員を送る必要があります。

Agilityオプションを使用すると、Mobilityオプションと比べて年間18,597ユーロ節約できます。 モビリティオプションを利用するとExpatriateを使用した時と比べて、年間22,423ユーロを節約できます。 これらの差異が100人の駐在員に対して適用された場合、潜在的な節約を想像してみてください。 これは、1年あたり約200万ユーロ(約2億5千万円・ネット)です。

より低い手当オプションを選択しても、従業員のサポートは大幅に減少するわけではありません。

Agilityの最も低い住宅レベルを見ると、従業員は家族に安全で通勤可能なエリアにある3ベッドルームの家の家賃相当が示されます。一方で最高のExpatレベルでは市街地中心部に4ベッドルームの家の家賃が示されます。どちらも適切といえるでしょう。

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グローバルモビリティに携わる皆様が企業のポリシー、給与プログラムを評価し、New Normalityへの適応を模索するにあたっては、慎重な検討を経て決定することが重要です。従業員と会社の両方を保護する観点でその対応を構成する必要があります。

この変化はやがて常識となるので、私たちはすべてのステークホルダーのニーズを考慮して、その対応においてバランスをとる必要があります。世界は COVID-19の結果として様々な変化が期待されています。この困難な時期に皆様の企業を支援するためにモビリティが行うことができる変更を検討する良い機会です。

AIRINCはそのためのソリューションをご提供します。

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