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サード・カルチャー・キッズ(第三文化の子供)│ 海外赴任者の子女をどのようにサポートしますか?

2020.08.05

サード・カルチャー・キッズ(第三文化の子供)とは?

「サード・カルチャー・キッズ(第三文化の子供)=略称TCK」という用語は、両親以外の文化、またはパスポートに記載されている国以外の文化で育った子供を指します。これまで、この用語を聞いたことがないかもしれませんが、このような境遇にある子供たちは数多く存在します。特にITまたはエンジニアリング分野での就業機会は、世界中を対象にしている場合が多く、海外赴任は一般的です。

つまり、家族は複数の文化で子供を育てることになり、特に仕事上の契約機会があれば、この状況はさらに顕著になり、短期間で複数の文化を体験することになります。世界的なパンデミックにより、現在では海外赴任に制限が発生していますが、海外赴任者は依然として世界中に住んでいます。もし、あなたが海外赴任家族の一員である場合、この記事を読めばサード・カルチャー・キッズとその支援方法についてもう少し詳しく知る事が出来ます。

子供を海外赴任地に帯同することのメリット

引越しは、子供にとって気が遠くなる事かもしれませんが、さまざまな国の生活を体験することは、多くの利点があります。

新たな言語の習得

サード・カルチャー・キッズ(TCK)は、赴任国に住んでいる間、しばしば第2(または第3、第4、もしくはそれ以上)の言語に触れる事になります。ネイティブ・スピーカーのいる環境(学校、友達、日常生活などの実際的な場面)に物理的に触れる事は、本国でその言語を学ぶ場合と比較して、その言語を流暢に習得する上で役立ちます。これは、後々の事を考えると非常に有利な点です。

関係構築力と順応性

新しい国に引越した結果として、TCKは特に異文化との関係構築において優れている傾向があり、しばしば文化的カメレオンまたは文化的ハイブリッドと呼ばれます。新しい文化に出会って交流することにより、子供たちは柔軟な世界観を持ちながら成長し、物事を見る方法はいくつもある、という事を深く理解することができます。 TCKは、多文化体験に触れ、世界の違いに対してよりオープンな態度をとることで、文化への適応性と、さまざまな文化や生い立ちの人々に対する寛容性を高めることが出来ます。

将来、就業する際に役立つこと

TCKは、新しい言語を学び、異文化との関係構築が出来ることにより対人感度が高くなり、自分の感情を冷静に観察し、社会的との接点をより上手に持つ事が出来るようになります。したがって、これにより異文化や異なる生活様式に対する感受性が高まり、仕事上の成功に不可欠なクロス・カルチャー・インテリジェンス(文化の違いを超えて円滑にコミュニケーションを図る能力)を身に着けることが出来ます。子供が成長期に海外で習得するスキルは、グローバル企業の多様な国家/民族の組織において、効果的にその機能を発揮します。

子供を海外赴任に帯同する際の課題

海外への引越しは、関係者全員にとって非常に前向きな経験になる可能性がありますが、当然の事ながら最初はいくつかの課題があります。新たな状況への適応 異文化(インターナショナルスクールを含む)の新しい学校システムに適応することは、TCKにとって常に最も困難な課題の1つです。

これにより、子どもたちはその後の人生の変化に対処するための準備を整えることが出来ますが、最初の移行段階は難しい場合があります。 これは、子供の適応を手助けするために親として何が出来るのか、を正しく理解するために最も重要なステップの1つでもあります。親として出来ることは、下記の5点です。

1. 教師とのキャッチアップミーティングを開催して、子どもがそれまでに受けていた教育と、親が子どもをどのように支援できるかについて情報提供をします。この点に理解がある学校であれば、移行期間は短縮されるでしょう。

2. 子供が、学校であった事を話すように応援する。特に何が楽しかったのか、何が楽しくなかったかについて話すように促します。そうする事により、何故そうだったのかについて子供と話し合う事が出来ます。

3. 子供の新しい友達の親と知り合いになることで、よりカジュアルな形で学校のシステムに関して質問が出来るようになり、理解が更に深まります。

4. 放課後活動(スポーツや諸クラブなど)に参加するように応援する。そうする事により、他の子供たちと交流したり、楽しんだりできるようになります。

5. 子供が新しい友達と遊ぶ日を作る(そうする事で、親も新しい知り合いが増やせます)。

子供のアイデンティティを発見する

TCKは、自己のアイデンティティを見つけようとする際にも苦労をします。成長期の後半で、その課題に直面する場合が多いかと思います。TCKは、自分自身の事に関して様々な質問を投げ掛けられる場合があります。それは、「出身地はどこですか?」というような、常に答えがある質問とは限りません。

例えば、「あなたのアクセントは変わっていますね(○○国の人ですか?)」というような、不適切な質問をされたり、「○○国生まれにしては、あなたは英語が本当に上手ですね!」というような事を言われたりする事もあります。 国籍や文化に関して「一体感」を形成するのは難しいと感じる場合がありますが、子供の文化的ルーツを維持するために出来る事がいくつかあります。それは、以下の4点です。

1. 本国の伝統を守ること

伝統的な料理を作ったり、本国のスポーツチームを応援したり、「本国」に住んでいる家族や友人と連絡を取り合うこと。

2. 赴任先の新しい友人たちに、本国の伝統を紹介すること。

3. 本国の文化や街そして家族など、「昔」について、臆せずに話すこと。

もし子供が幼過ぎて思い出せない場合は、親が楽しくそのギャップを埋めてやって下さい。

4. テクノロジーを活用すること

グローバルなコミュニケーションと情報に利用可能なアプリがたくさんあります。困難な事はありますが、グローバルな人生経験と自国文化への誇りの複雑な多様性(タペストリー)は、一般的にはTCKに好影響を与えるものであり、そして、彼らが成人期へ移行し始めるにつれ、より高い適応性を持ち、深く理解し、そして周囲に気配りが出来るというスキルを身につける事が出来るようになります。

筆者紹介

ジョージア・フランゴゥ

Senior Manager - Global Tax & Mobility

NES Global Talent社

Email: Georgia.Frangou@nesgt.com

ジョージアは、海外赴任者の税制とグローバル・モビリティの専門家であり、4大監査事務所で24年以上の勤務経験があります。ジョージアは、海外赴任に関する顧客サポートと人事および財務の専門家とのやり取りに関して豊富な経験を持ち、海外赴任に関するアドバイスとグローバル・モビリティプログラムに関して、法令遵守をした実用的なソリューションを提供しています。

南アフリカでの勤務・居住経験のあるジョージアは、現在、イギリスに拠点を置いています。ジョージアはまた、カナダ、オーストリア、および米国で働いた経歴の中で、駐在員としての生活を、数回経験しています。

NES Global Talent社について

1978年設立のNES Global Talent社は、過去に受賞歴のある人材派遣専門企業であり、世界中のオイル&ガス、電力および再生エネルギー、ライフサイエンス、化学、鉱工業業界で人材派遣をしています。

同社は、専任の専門分野コンサルタントチームがグローバルな人材プールから調達した、カスタマイズされた人材派遣ソリューションを提供しています。プロジェクトを実際に実行するのは人間ですが、同社は33か国に60を超えるオフィスを持ち、世界のどこにいても最高の人材にアクセスが可能です。

NES Global Talent社は、契約・恒久的(直接)雇用・マネージドソリューションまたは完全外部委託サービスなど、幅広い人材派遣ソリューションを提供できます。これらのサービスは、業界をリードするサポートサービスとグローバルモビリティパッケージによって補完され、クライアントが必要な限り、コンプライアンスを遵守した方法でトップクラスの人材を維持しています。

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