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【2020年4月16日│上海現地レポート】新型肺炎に関する状況について

2020.04.17

【2020年4月16日│現地レポート】新型肺炎に関する状況について

本内容は、弊社上海現地法人の駐在員の見解です。

公式に発表されたものではありませんのでご留意願います。

市民生活全般

中国をはじめ各国が鎖国状態にある中、元々の発生源である中国は、一足早く危機を脱したかのような、一種の戦勝ムードが漂い始めています。まさに"のど元過ぎれば何とやら"と言う感じがぴったりです。

市中の様子はすっかり春節前の状況に戻っています。街中には車も人も溢れ、ショッピングモールには多くの市民が繰り出しています。春節前と唯一異なるのは人々の顔にマスクがあることぐらいです。

・上海市は現在、突発公共衛生事件1級対応から同2級対応へ管理レベルが引き下げられていますが、引き続き公共の場所でのマスクの着用が義務付けられています。

・マスクに関しては、市内のスーパーやネットショッピングのサイトなどで通常に購入できるようになっています、市内のショッピングモールなどで日本製のマスクが販売されていてもほとんどの市民が素通りしていきます。

・なお、現在マスクの輸出に関して規制が掛かっており、正規の輸出に於いては医療用品の証明書をはじめ各種証明書の取得の厳格運用が実施され、一般の郵便(EMS及びDHL)に関しては、航空便の減少の影響でかなりの遅れが出ています(筆者の知人2名が先週の金曜日にそれぞれ発送しましたが、昨日現在で1名の方の分が上海浦東、もう1名の方の分が深圳でそれぞれ止まっていることが確認されています)。

・各地のカフェや飲食店の中には満席で外まで行列ができるような店も出てきています。

・地下鉄の乗車時は検温が必須ですが、ショッピングモールの凡そ半数は既に検温の措置もなく、出入り口もほぼ通常通りに開いている状態です。

・日系各社が入居するオフィスビルでは、引き続き入り口での検温と健康コードの確認が実施されていますが、約半数のビルでは空調が復活しています。

・各マンション及び小区では、入り口での検温が残る物件の方が少数派になり、デリバリーサービスの配達員の出入りもほぼノーチェック、またオーナーによる内装工事も再開しており、春節前の日常を取り戻している感じです。

・学校関係については、卒業式の関係もあり、中学3年生及び高校3年生については今月27日から授業を再開するという通知が出されています。

・日本人学校については、本日時点で小学校(虹橋・浦東)及び中学校のいずれについても開校に関する通知は出ていません、高等部については4月1日付でオンラインによる授業を再開する旨の通知が出ています。

企業活動状況

日系各社に於いては、全体の9割程度が通常勤務へ復帰、残り1割の企業で引き続きシフト制を継続しているものの、これらの措置も今月一杯で解除し来月からは完全に通常勤務へ戻す見込みです(来客などの制限・禁止の措置も同様に今月一杯で解除の見込み)。

・そのような中、中国政府の方針で既に発行済みの査証や居留許可証が一時的に失効しているため、今春の新規赴任予定者を中心に人の動きが止まったままで一部の業務に支障が出始めている模様です。

・また帰任者に関しても、中国各都市との間の国際線の運航が厳しく制限されていること及び日本側の検疫体制の関係上で1便当たりの搭乗者数が大幅に制限されていることで、帰国予定の方が帰国できずに足止めされる事態が発生しています。中国に於いては経済活動の再開加速と国内での感染の再拡大防止と言う、いわばアクセルとブレーキを同時に踏むような難しいかじ取りを迫られています。

・目下の最大の懸念事項は、海外からの逆流案件の水際対策ですが、一部では既に帰国者からの国内感染事例も出始めています。

・現状、海外からの帰国の大きな窓口となっているのが上海と広州、更に陸路でロシアから大量に帰国者が出ている黒竜江省の3拠点で、これらの拠点での水際対策が今後一気に加速する可能性があります。

・日系各社でも最近の関心事は、社内で感染者が発生してしまった場合の対応マニュアル(PCR検査の対象者の確定、入居するビルとの折衝など)へと移っています。また、日本人駐在員をはじめ外国人は上海で社会保険に加入していないため、治療費が全額個人負担となる点も懸念材料として挙がっています(治療の総額は凡そ60万元程度≒1000万円と言われています)。

前段でも記したように上海では若干戦勝気分で、地下鉄車内などの国営のメディアで武漢へ応援に入った医療チームが地元へ帰還する模様(スタッフの乗ったバスが白バイに先導され沿道の両側を警官や市民が固め手を振って見送る様子や搭乗便のCAが涙を流しながら機内放送をする様子など)が繰り返し流されています。

また最近では上海の気温も上昇をはじめ(本日も最高気温が27℃)汗ばむ陽気となったこともあり、路上でマスクを外したり地下鉄やショッピングモールの中でマスクを外す人も出始めています。これらは違反行為で外国人だからと特別扱いされることはありません(先日も某公園内でマスクの未着用を咎められた白人が警官に抵抗し、身柄拘束の上で、なんと国外強制退去処分しかも最も重い処分の駆逐越境=無期限再入国禁止と言う処罰を受けました(筆者にも画像が回ってきました)。

先ほども記したように経済活動の再開との両建てとなるため、また厳しい防疫管理体制へ戻すことは表立ってはしないと思います。しかしだからこそ運用の部分での引締めがあることは想像に難くありません、引き続き注意喚起が必要です。

日本との人の行き来については、日本側の状況に拠るところが大きいと思います。現在当地日系各社の間では、6月中に再開できればと言う希望を持っているところが大多数です。日本の非常事態宣言も5月6日までと聞いて居りますが、まだまだ予断を許さないように見受けられます。ここはひたすら耐える時期と覚悟して、その時を待ちたいと思います。

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