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アメリカ│米国生活における健康管理

2019.05.18

米国生活における健康管理

どこの国に住んでいても自分の健康は自分で守ることが大切。特に海外に移住した後は、生活基盤を整えることや仕事など日々の忙しさに追われ、症状が出るまで自発的に病院に足を運ばない人も多い。日本では、会社に勤めている方は、年に1回の労働安全衛生法で定められた法定健康診断の受診が義務付けられており、海外に6カ月以上派遣される海外派遣労働者(駐在員)は派遣前後の健康診断の実施 が事業主に義務づけられている。

しかし、海外赴任中の健康診断については義務付けられていない。海外派遣労働者への安全配慮を考慮して、事業者が年1回の健康診断を実施することが望ましい。実際には、海外駐在中に年に1回の健康診断を日本に一時帰国の際、又は米国国内で受診するよう定めている企業がある。

米国で定期健康診断の事をAnnual Checkup/Physical Checkupと言い、米国の保険を加入していると、一年に一回、保険を使用して健康診断を受診する事が可能だが、日本の健康診断や人間ドックとは違い、保険会社や加入プランによっても検査項目が異なるが、医師の診察、身体測定、血圧、血液検査、尿検査などに限られることが多く、その他の検査項目も受診が必要か否かが年齢や現在の体調により明確に判断される。米国で人間ドックに含まれる多項目の検査、胃カメラ、MRI等を健康診断として受診のほとんどの場合は、保険を通さずに高額な医療費を支払うことになる。また日本のようにパッケージとして一箇所で1日で終了できる健康診断を提供している所が少なく、数日間に渡って検査が必要になることがほとんどだ。

最近では日系や米系の医療機関でも日本と同様の健康診断を提供している所が増えている。特に日系の医療機関だと、米国で必要なワクチン接種の際に日本で接種したワクチンの記録の確認、米国の薬についても日本語で説明を受けられる等、安心して通える所が増えているので、上手に活用するとよい。例えば、ニューヨークに拠点を置くジャパニーズメディカルケアでは、日本の法定健診を始め、人間ドックパッケージを提供しており、オプションで婦人科健診、骨密度、パッケージに入っていない血液検査などの様々な検査項目を用意している。小児健康診断もアメリカで義務付けられた検査、推薦項目に準じた検査を年齢別に用意しており、予防接種の記録確認や学校健診も行う。

日本の生活に比べて太る要素が多く、やせる人もいるが稀である

1年に1回の定期健康診断も大切だが、やはり日頃から食生活、運動、睡眠、ストレス管理は大切だ。

米国に引越しをして生活環境が変わると、人それぞれだが、新しい環境、言語の壁などが気づかないうちにストレスとなり、寝つきが悪い、偏頭痛がするなど、今までなかった症状が身体に出てくるようになり、放っておくと治療が必要になるくらい悪化することもある。米国での食生活と言うと、多くの人が想像するのが、食事の量の多さと食事の摂取カロリーも高いこと。日本の生活に比べて太る要素が多いため、日本人が米国に引っ越すと、体重が増えたと答える人が多い。逆に高脂肪の食事を身体が受け付けないため、やせる人もいるが稀である。特に外食が多い人は食べる量に気をつけなければならない。日本のレストランが提供する倍以上の量が出てくる所もあり、食べる量に胃が慣れてしまうと、胃がどんどん大きくなり、気づかずに食べすぎや飲みすぎを続けていると体重が増えるだけではなく、胃腸疾患やコレステロール、中性脂肪、血圧が上がるなど、健康を害してしまう。

米国でもニューヨークなどの大都市に住むのであれば、野菜の種類も多く、魚介類も手に入りやすい。しかし、郊外に住むことになると購入できる野菜や魚介類の種類が少ない、なおかつ車生活なので、運動量も減り体重増加に繋がる人も多いようだ。上記に挙げたジャパニーズメディカルケアの栄養士が過去に日本人駐在員に食生活診断を行ったところ、魚の摂取量が日本に住んでいた時は平均週4~5日、又は、ほぼ毎日摂取していた人が米国に住み始めてから週1回又はそれ以下に減る人が多いという結果が出た。

魚摂取量が減る理由は、新鮮かどうかわからない、魚の種類がわからない、調理の仕方がわからない等。これは野菜に関しても言える。日本では見たことのない野菜の調理の仕方がわからないとの意見も多い。米国は食の安全に関しては、各州にある比較的良質の食材を販売する大型スーパーのWhole Foods Marketsや、街ごとに食材にこだわるお店やファーマーズマーケットを利用すれば、深く心配をする必要はない。注意したい事は、食品添加物を多く含む加工食品やお菓子類、特に着色料が多く使われた食品であり、日々の食生活になるべく入れない方が良い。

また、食生活だけではなく、運動も必ず定期的に行うことを薦める。日々階段を使うことを心がけたり、歩く距離を増やし、ジムのクラスを取るなど、意識と努力をしなければ、健康は維持は難しい。そして良質な睡眠を取ることも食事と運動と同様に大切なので、睡眠不足、疲労感が取れない時はゆっくり休むことも大切だ。良質な睡眠を取ると、脳も休まるのでストレス耐性や仕事の能率が上がるだけではなく、バランスの取れた食事の摂取や定期的な運動への意欲も沸いてきて健康改善そして維持ができるのではないだろうか。

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