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【2019年版】上海の賃貸住宅事情

2019.05.20

1:在留邦人の動向

上海の在留邦人(3か月以上滞在する人で上海領事館に在留届を出している人)は、2012年の57千人をピークに減少を続け、2018年時点では約43千人となっています。一説では、日中関係の悪化や大気汚染の問題などで家族連れの赴任者が激減したことが影響しているという話もあります。

現時点で在留届を出していない方や長期の出張ベースで上海に生活の拠点を置いている方を含めると、日本人長期滞在者の総数は約85千人と見られており減少したとは言えかなりの規模の日本人社会を構成しています。日系企業の駐在員に関して言えば単身赴任比率が約7割と捉えられています。

2:日本人駐在員の居住エリア

では、これら85千人の日本人がどのようなエリアに居住しているかを見ていきます。

上海市はかなり広いエリアで面積は約6,340㎢(山手線の内側が約65㎢)、16の区からなり、人口は2,424万人です。もちろんこれら全域に日本人が居住できる訳ではなく市内の中心部に限られています。よく例えられるのが先述の山手線の内側で、このくらいの広さの中に85千人の日本人が暮らしていることになります。

上海市は市内の真ん中を南北に流れる黄浦江と言う河を挟んで西側のエリアを浦西、東側のエリアを浦東と呼んでいます。弊社のデータでは、居住する日本人比率で見ると浦西エリアに75%、浦東エリアに25%と言う状況です。以下が日本人の居住する代表的なエリアです。

【浦西エリア】

・虹橋 ・古北1期 ・古北2期 ・天山路/威寧路 ・中山公園 ・旧租界地 ・徐家匯

【浦東エリア】

・陸家嘴 ・世紀大道

3:住宅の種類

次に日本人が居住する物件の種類を説明していきます。

【ディベロッパー物件】

一般的にサービスアパートと呼ばれるタイプで中国語では酒店式公寓や服務公寓と言う名称で呼ばれます。ホテルのように週に数回の部屋の清掃とリネン類の交換などのサービスが付き、1Fにはフロントが設置され何か問題があった場合フロントに頼めば対応してくれるサービスです。マンションによってはフロントの担当者が日本語対応可能と言うケースもあります。

【管理会社物件】

いわゆる普通のマンション(と言っても、上海では高級マンションのほとんどが所謂「億ション」です)で、所有するオーナーが管理会社へ管理を委託、管理会社が内装や設備をグレードアップさせて賃貸に出す形の物件です。ディベロッパー物件のようにフロントがある訳ではなく、トラブル対応は不動産会社経由となりますが、管理状態は良く質の高い物件が多いカテゴリーです。

【個人オーナー物件】

マンションの所有者であるオーナー個人が自分で管理している物件です、オーナーの趣味によって同じ物件の部屋でも内装や設備の質が全く異なります。またオーナーがどこの出身なのかも、物件に対する投資が異なり修繕の際の対応にも差が出てくる要素になります。

【別墅】

一戸建てのことです。上海の郊外にはかなり高級な戸建てがありますが、一部の欧米人を除き日本人はあまり居住することはありません。中国人の富裕層が週末を過ごすためやゲストハウスとして利用することが多いです。

【小区】

日本で言う団地(公団)のイメージです。6階建てでエレベーターはありません。庶民の居住区で市内中心部など便利なところにもありますが、設備面や安全面から日本人駐在員で居住する人はほぼ皆無です。

4:賃料相場の動向

さて、最も気になる賃貸マンションの賃料相場の動きについてですが、現在はやや小康状態と言った感があります。ただし先述の通り日本人の単身赴任比率の上昇、物件の供給状況などから立地の良い単身赴任者向けの物件は引き続き賃料の上昇傾向にあります。

上海(恐らく中国全土)のマンションは家族での居住(最低でも夫婦)を想定して建築されており、日本のワンルームのような物件は極めて少ない状況です。従って単身赴任者の住居についても2Lを選択するケースが多く面積でも80㎡から場合によっては100㎡を超えることも頻繁にあります。家族帯同向けのマンションは3Lでも120㎡以上の物件が殆どです。面積が広くなれば賃料が高くなるのは必然で、よく日本の人事の方々が"なぜ単身用の物件がこんなに高いんだ?"と疑問に思われる背景には中国特有の事情があることをご理解いただければ幸いです。

物件の需給バランスですが、建築作業員の労務費や材料費の高騰というコスト面の事情(投資が回収できない)及び上海市の行政としての方針から現状新築の高級マンションは、上海市にある3つの環状道路の中環状線内側エリアでは開発認可が下りにくい状況です。従って一部のリノベート物件(古い住宅もしくはオフィスから転用)を除き新規供給は見込めない状況です。これらの事情から先述の通り立地条件の良い物件を中心に単身用物件の賃料が引き続き強気となっています。

【参考情報:2019年弊社調べによる日系企業の上限家賃設定状況】

単身赴任:16,500~18,000元 が最も多い

家族帯同:22,500~24,000元 が最も多い

5:代表的な居住エリアについて

それでは、上記2でも触れた日本人駐在員の居住が多い代表的なエリアについて触れていきたいと思います。

【虹橋:地下鉄2号線 婁山関路駅】

◆エリアコメント

日系企業も多数集結する老舗開発区です。オフィスや住居が一体で開発されており商業施設の充実度も抜群です。2016年開業の日本式スーパー「アピタ」は駐在員の奥様だけでなく単身赴任のお父さんにも大変便利な存在です。開発された時期が比較的早いため物件の築年数はそれなりに古いですが何よりも立地が好条件です。日本人が経営し駐在員の高い要求にも応えられるレベルの高い飲食店は市内随一の集積度を誇っています。

◆代表的なマンション

・太陽広場 ・虹橋華庭 ・虹橋豪苑 ・翠庭



【古北1期:地下鉄10号線 水城路駅】

◆エリアコメント

日本人向け施設も多く利便性の高い初心者でも安心な日本人村です、日本人学校虹橋校にも近く、幼稚園や日本語対応可能な病院もあり、海外生活が初めてという家族連れでも安心して生活できます。もともと90年代初めに上海で働く外国人を受け入れるために拓かれたエリアであり、日本人を意識した物件も多数あります。開発された時期が早いため物件の外観はレトロな感じですが内装は全て一新されておりモデルルームのような部屋も多数存在します。少し足を延ばせば国際色豊かなグルメストリート"老外街"で各国料理が楽しめます。

◆代表的なマンション

・美麗華花園 ・四季晶園 ・巴黎花園 ・羅馬花園 ・名都城 ・華園



【古北2期:地下鉄10号線 伊梨路駅】

◆エリアコメント

歩行者街を中心に広大な公園のような緑地にマンションが点在し家族連れの駐在員に人気ナンバーワンのエリアです。2008年以降に開発され物件も近代的な外観を誇り、週末には歩行者街に多数のカフェがパラソルの花を咲かせるなど欧米人にも人気のエリアです、もともと住宅として開発されており車の侵入も制限されるなどお子様連れの赴任者にも安心です、2015年には高島屋も開業し買い物の面でも格段に便利になりました、中国茶の道具を専門に扱う店や二胡など中国特有の楽器を習える教室など中国生活を充実させるには格好の環境です。

◆代表的なマンション

・御翠豪庭 ・古北国際花園 ・金色貝拉維 ・強生花園 ・古北国際広場 



【天山路/威寧路:地下鉄2号線 威寧路駅】

◆エリアコメント

上海市内でも比較的遅れて開発されたエリアで築年数が浅いマンションが多いのが特徴のエリアです。駅の真上に商業施設が開業し単身赴任者の人気が急増しています、また市内中心を東西に走る地下鉄2号線の上を走る天山路沿いに広がるエリアはマンションごとに公園のような造りで家族連れの駐在員の人気を集めています。

マンション群の北側には蘇州河と言う河が流れ部屋によってはリバーヴューの眺望を楽しむこともできるエリアです。駅周辺は市内でも限られた単身赴任者向けのコンパクトな物件が存在することも人気を集める理由です。

◆代表的なマンション

・仁恒河濱花園 ・天山河畔花園 ・天山華庭 ・新天地河濱花園 ・天山星城



【中山公園:地下鉄2・3・4号線 中山公園駅】

◆エリアコメント

駅の名前の由来にもなっている市内有数の広さを誇る中山公園に隣接したエリアです、龍之夢とラッフルズという2大ショッピングモールに加え2017年には"ニトリ"も開業、基本的には商業地区という性格です。地下鉄が3線乗り入れており出張が多い単身赴任の駐在員に人気が高いエリアです。休日は公園で各種イベントが開催され若者が多く集まるのが特徴です。近年は日本料理店も充実、また少し足を延ばした定西路界隈は外国人が多く集まる静かなバーが点在する隠れ家的なスポットです。

◆代表的なマンション

・園景公寓 ・兆豊嘉園 ・凱欣豪園 ・路易凱旋宮 ・聖約翰名邸



【旧租界地:地下鉄2号線 静安寺駅~南京西路駅】

◆エリアコメント

旧フランス租界地に広がりどちらかと言えば欧米人に人気のエリアです。日本人駐在員では海外生活が長く英語には困らない方やお子様をインター校へ通わせる家族連れの方が選択されます。市内有数の目抜き通りである南京西路は高級ブランドの店舗が集中、日系の伊勢丹やシンガポール系の久光では日本食材も多数手に入り買い物には不自由しません。通りの両側のプラタナスの並木は冬になるとイルミネーションでライトアップされ外国人だけではなく地元の若者にも人気のスポットです。

◆代表的なマンション

・静安八号 ・静安四季苑 ・御品大厦 ・御錦軒 ・経典茂名



【徐家匯:地下鉄1・9・11号線 徐家匯駅】

◆エリアコメント

駅周辺には市内最大級のショッピングモールが集まる上海市有数の商業エリアです、単身赴任者だけでなく最近では家族連れの駐在員も選択するケースが増えています。隣接するエリアには上海の名門"交通大学"があり、古い洋館が立ち並ぶ租界地にも近い賑やかさと静かさを併せ持ったエリアです。少し足を延ばしところにある衡山路には、欧米人が集うステーキハウスやバーが集積、日本語の聞こえない環境をお望みの方には格好のエリアです。交通大学周辺を含めると地下鉄が5線5駅利用可な交通至便なエリアです。

◆代表的なマンション

・徐匯苑 ・港匯花苑 ・名仕苑 ・兆豊帝景苑 ・莱詩邸



【陸家嘴/世紀大道:地下鉄2号線 陸家嘴駅/地下鉄2・4・6・9号線 世紀大道駅】

◆エリアコメント

世界有数の高層ビルが立ち並ぶ陸家嘴の金融街と、上海市内で唯一地下鉄が4線乗り入れる東の交通の要衝世紀大道駅を中心としたエリアです。主にお子様を日本人学校浦東校へ通わせる家族連れの赴任者と、金橋や外高橋保税区の工場地帯に勤務される単身赴任の駐在員が居住します。陸家嘴エリアは黄浦江沿いの高級マンション、世紀大道エリアは日本人学校周辺のエリアに集中します。広大で平坦なエリアのためランニングやサイクリングが趣味の方にはうってつけのエリアです。

◆代表的なマンション

・仁恒濱江園 ・匯豪天下 ・江臨天下 ・東和公寓 ・新港大厦 ・陸家嘴中央公寓 ・香梅花園

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