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スペインの住宅探し│トラブルを避けるためのポイント

2019.10.09

Q:スペインの物件の近況を教えてください

スペインの一般動向ですが、1997年から2007年の不動産バブルでスペインの新築住宅の平米単価は約3倍になりました。その間は、日本などでの暴落の前例も無関係といった様子で、「不動産価格が下がったことはない」と自信を持って"煉瓦"(業界では「建物」を指す)への投資がなされていました。リーマンショック後は4~5割落ち込みましたが、2016年から上昇基調に転じています。現在はバブル盛期と比べると25%ほど安いのですが、25年前と比べれば新築物件の価格は2倍以上と言えます。

購入価格がバブル盛期と比べてマイナスなのに対し、スペインの賃貸市場は+11%です。家を購入する資金のない若者たちが賃貸に頼らざるを得ない状況があると思われます。マドリード市やバルセロナ市では100m2平均1500~1600€です。また市の中心部では、この4、5年で民泊などの観光需要によって賃貸価格が急上昇しており、賃貸バブルの様相を呈しています。従来の広い家を分割して新しく1ベッドルームのアパートにリフォームして、それらを賃貸に回す大家さんが近年では沢山います。

一方、全体相場と連動しない日本人駐在員向け住宅の25年前の相場は25万ペセタで1,500ユーロに相当しますが、現在でも5割程度しか上昇していません。そのような物件の顧客層が限定されていることと、バブル崩壊後の企業の経営方針の転換でコスト削減が徹底してきているからだと思われます。

Q:物件の探しやすさに変化はありますか?

仲介を始めた当初はインターネットが普及する前でしたし、マドリードでは基本的に一軒一軒家主が違うので、よく歩いて物件の情報を収集しました。スペインでは、売買契約において、売主がエージェントに仲介料(売買価格の3~5%)を支払う一方、賃貸契約では借り手が仲介料(ひと月分)を支払うのが一般的です。ですから、近年では、借り手から手数料を支払ってもらうことを条件に、仲介を委託する貸主が増え、ネット上で不特定多数のサイトに広告を出すエージェントがとても多くなりました。

ネット上の写真を見て内覧前に取捨選択ができるなど、借り手にとっては物件情報の幅が広がってとても便利になりました。ただし、日本人マーケットはとても小さく特殊ですし、MIRAI HOUSINGは個人業です。せっかくいい物件があっても押さえておけないと流れてしまうので、基本的には仲介依頼を受けてから個々のお客様のニーズに合わせて動いています。

Q:スペインの物件の問題点や家探しの注意点があれば教えてください

外国人が家探しをする際の最大の問題は、貸主との意思の疎通だと思われます。最近はスペイン人でも英語ができる人が増えてこの問題が軽減されつつありますが、契約書はスペイン語になりますので注意が必要です。契約内容の確認や交渉のため、物件が見つかってから実際に入居できるまでには1週間程度の日数が必要になるとお考えください。

スペインでは家賃の未払いも多く発生しているため、貸主との信頼関係が確立できていない場合などは、敷金とは別に、月々の支払いを保証する銀行保証の差し入れや高額な保証金を要求されることがあります。また、神経質な貸主は弁護士を介して自分に有利な契約内容を提示してきますので、気に入った物件が見つかった場合でも、入居後のトラブルを避けるために、貸主の人柄を見極めてしっかりと契約内容を確認することが大事だと思います。なお、退去時には備品に破損がなくても、清掃をせずに家を返却した場合などのクリーニング代は敷金からの差っ引き対象となることを心に留めておいてください。

Q:住宅のエリア選び、物件選びのポイントを教えてください

ご家庭の構成によって好まれる地域は異なりますが、日本人の方はほぼ皆さんが家具付きの家を希望されます。マドリードでお子さんが日本人学校に通われる場合は、通学バスが通る市の北・西部を中心に探すことになります。商業地からは離れることになりますが、そのぶん静かで治安がよくなります。中心部から離れた地域になると、タウンハウス(棟がつながった一戸建て)などもターゲットにはなりますが、安全性を重視してマンションタイプの住宅に入居されることがほとんどです。24時間警備、庭付き、プール付きのものが人気です。

近くに英語が通じる病院があるかどうかということもチェックポイントのひとつです。単身の方の場合は、閑静なエリアよりも利便性が良く、バルやレストランが多い場所を好まれます。部屋数よりもリフォームがしっかりしていることなど新しさや機能性を重視されています。ただ、リフォームをしてバスタブを取り払ってシャワーブースのみに替えてしまうところが多いのがネックです。お風呂好きの日本人にとって必須条件である浴槽付きの物件を見つけることが困難になります。また、日本からいらっしゃる方は、一般的に日当たりのいい南向きの住宅を好まれますが、日差しの強いスペインでは必ずしもベストチョイスとは限りません。家によっては、日中いつでも明るい北向きの部屋がいいこともあるのです。

トラブルを避けるために、貸主の人柄を見極めてしっかりと契約内容を確認することが大事。 MIRAI HOUSINGでは、信頼できそうな貸主の物件紹介を心がけています。スペインでの住宅探しはお任せください。

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