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【第31回】インド駐在緊急リポート!新型コロナウイルス対応で、日本人のインドVISAが全て無効に!?

2020.03.18

インド駐在緊急リポート!新型コロナウイルス対応で、日本人のインドVISAが全て無効に!?

転勤族の妻(略して転妻)がお届けする『現地発』のリアルリポート、今回はインド在住「TKT48」広報部海外メンバーのsayokoが、駐在員含む日本人に発給されたインドビザ無効発表についての緊急速報、そしてその発表によりどのような影響を受けたのかリポートします。(2020/3/16現在)

新型コロナウイルス感染発生直後のインドの対応(2020/1月末)

1月末頃より、新型コロナウイルスについてのニュースが日本でも連日報道されるようになりました。

それに伴い日印併せての状況を注視し続けていました。

これまでインドは、1月末に最南部のケララ州で武漢帰りのインド人3人の罹患者がいるとの発表があり、その直後に現段階で中国本土に滞在する中国人並びに全国籍者の中国からの入国を停止し、中国人に発給している全てのビザを無効化させました。ただしその時点でインドに滞在している中国人に対して、ビザは無効化するもののインドに滞在はし続けても良いという判断でした。

日本人、事実上の入国禁止へ(2020/3/3)

中国に対する強硬姿勢の発表以降、日本での感染者が増加し続けている状況に伴い、観光ビザの発給中止、複数回使用可能なビザにおいて「初めてビザを使用してインドに渡航する場合」は入国禁止等の手続きが取られ始め、日を追うにつれて不穏な空気が漂ってきました。

そしてついに3月3日『日本含む4国籍者に対して、既に発給済みのものを含む全てのビザを無効とする』発表が出ました。(外交官等一部除外あり)

物議を醸した点とは?

①『渡航歴』ではなく『国籍』で判断が下されたこと

インドの駐在員は出張や買い出しで第三国へ出る機会が非常に多く、『新型コロナウイルス蔓延化が問題視されている時期の日本への入国歴』が無いにも関わらず、国籍のみで判断され、再入国できなくなったことに対して戸惑いの声が挙がりました。

② 猶予期間もなく即日断行されたこと

1日の猶予期間も設けずに即刻締め出し状態となり、日本へ一時帰国中の方や第三国に滞在中の方はその時点でインド再入国が不可能となりました。

なぜ、混乱を引き起こしたのか?

① 異動シーズンであること

4月より新規着任する駐在員に発給されていたビザも無効化され、インドへの渡航が全くの白紙となりました。

それに伴い、3月末で帰任する人にも影響が出てしまいました。

② 旅行シーズンであること

3月には『ホーリー』と呼ばれる祭りで祝日となるため、多くの人が一時帰国や旅行の計画を立てていました。

若しくは前倒しで連休を取得していた人たちが日本や第三国に滞在中のまま、インドへの再入国が突然できなくなりました。

周囲の反応や懸念事項は?

この記事を執筆している現在、日本人への風当たりも徐々に厳しいものとなり始めました。

侮蔑的な言葉をアパートメント内のエレベーターや、外国人も多く利用するショッピングモール内で投げかけられたという声も多数耳にする様になりました。

実は私のごく身近なところで、一時帰国中にこの一報が入りインド再入国ができなくなった駐在員、第三国旅行中にインドから締め出され日本に緊急帰国する以外の道が無くなってしまった友人もいます。その他にも上記のような厳しい風当たりから守るため、帯同家族を日本へ返す決断をしたご家庭もあります。

しかし、一度日本へ帰国してしまうと、次にビザが発給されるのかは全くの白紙であるため、駐在員として勤務している方々は「インドから出国しない」以外の選択肢が残されていません。次に日本へいつ帰れるのか、異動に影響はないか、もし日本で大切な方が亡くなったりしたら...など、不透明すぎる状況に苛立ちと共に不安が押し寄せてきています。

帯同家族・駐在妻が決断しなければならないこと

この原稿を執筆している現時点では、発表から半月以上が経過し、徐々に諦めとも落ち着きともとれぬ状況により、先ほどのパニックはありませんが、我が家では今回の一報を受け、夫婦で以下のような話し合いを行いました。

・もし私自身がインドで罹患し、隔離施設へ送られたら子どもの世話、夫の仕事はどうなるのか

・インドの隔離病棟は、非常に衛生状態も悪く、子どもであっても親との面会が許可されない。

万が一を考慮すると日本で隔離される方が、実家のなどを頼ることができるため、インドより状況が悪くなることはないのではないか

・インドの衛生状況や人々の意識を鑑みても、日本で気を付けて生活をする方が安心材料が大きいのではないか

今回はテロや戦争の懸念によるものではない分、日本でもリスクが充分にあるということを踏まえての話し合いであるため、明確な結論を現時点では出すことはできませんでしたが、家族で引き続き安全対策を講じる他ありません。

その後の展開(2020/3/16)

在インド日本大使館、インド日本商工会議所等の懸命な働きかけにより、当初の日本国籍者の全ビザ無効化という事態から若干緩和されました。インド再入国の必要性の高い方は、駐在先企業や本社のレター(陳述書)の確認等を経て、在日インド大使館での面接次第ではビザ発給許可が出るという判断が下されました。その後には、駐在員等の就労ビザを持つ者は一定の条件付きでインドへの再入国が可能というところまで緩和されました。

一方で3月11日には、欧州での甚大な蔓延に伴い、ついにすべての外国人観光客の入国を4月15日まで禁止するという強硬姿勢をとりました。これは日本でも大きく報じられたようで物議を醸しましたが、追従する国が相次いだことにより、インド国内では一定の評価を得ているようです。

私たち駐在妻やその子どもが持つ帯同ビザは、現段階では未だインド国外へ出ると無効化となる状況ですが、そちらを巡っても情報が錯綜し続け、各国インド大使館によって見解が異なっていたり、インド国内の省庁によっても別々の対応をとったり、日本の外務省のページに誤った情報が一時掲載されるなど、現在も取り巻く状況は大混乱を極めています。

※これらは全て2020年3月16日現在の情報です。刻一刻と情報がアップデートされているため、最新情報は外務省や大使館のリリースを都度ご確認ください。

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