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【第35回】現地に残る駐在妻の不安は?ブルキナファソから新型コロナウイルス現地レポート

2020.04.21

現地に残る駐在妻の不安は?ブルキナファソから新型コロナウイルス現地レポート

転勤族の妻(略して転妻)がお届けする『現地発』のリアルリポート、今回は西アフリカのブルキナファソ在住「TKT48」広報部海外メンバーのAikoが、新型コロナウイルスに怯えるブルキナファソの現状をお届けします。

アジアからヨーロッパ、アメリカ、そして遂にはアフリカと世界規模に広がった新型コロナウイルス。日本から遠く離れた西アフリカの国、ブルキナファソで起こっている現状や現地に残った心境をまとめました(4月6日現在)。

ブルキナファソの現状

<感染者数>

3月8日にブルキナファソで初となる感染者が確認されました。2週間が経たないうちに感染者数が100名を越え、4月5日時点で、現在の感染者数は364名、うち18名の方が命を落としています(108名は回復済み)。

<ブルキナファソ政府の対策>

① 3月16日より、全ての教育機関が休校となりました。

② 3月20日に大統領の発表により、以下の対策が強化されました。

・50名以上での集会禁止

・飲料店、映画館、遊技場、劇場、市場、レストランに対する所轄当局による営業制限

・夜間(19~5時)外出禁止

・軍用、貨物を除く商用旅客機便の停止

・貨物を除く陸上及び鉄道の国境封鎖

③ 3月25日より、大規模市場の営業が禁止されました。

④ 3月27日より、感染者が確認された都市の出入りが禁止されました(首都ワガドゥーグーを含む)。

<日本人駐在員の動き>

元々少ない日本人帯同家族でしたが、会社からの指示で緊急一時帰国を余儀なくされた方や自ら一時帰国を選んだ方がおり、現在では私達を残すのみとなりました。

さらに外務省より3月31日付けで、「アフリカにいる在留邦人へ向け、可及的速やかな帰国検討を」といった内容の広域情報が出されました。これを受け、ブルキナファソに残っていた多くの日本人駐在員が帰国しました。既に空港は閉鎖され商用旅客機が停止されている期間であったため、他国政府の特別便等を乗り継いで帰国しました。

首都ワガドゥーグーの様子

※3月後半からは極力外出を避け、必要最低限の買い物にしか出ていません。

断片的な情報になっている可能性があることをご容赦下さい。

現地のスーパーでは、大きなバケツに水を貯めた手洗い用の水と石鹸が入り口に設置されています。警備員が入り口で入店者数を制限し、ほとんどの店員がゴム手袋とマスクを着用しています。中心街の大きなスーパーでは、入店前に足の消毒も必須とされ、10歳未満の子供は入店が禁止される等厳しいルールが決められています。品揃えに関しては、「普段より少ないかな」と感じるものの、食料品や生活日用品も十分に在庫があります。マスクとアルコール消毒液は、一度は姿を消しましたが、最近はまた売られるようになりました(但し値段は通常時の3倍以上します)。

外にいるブルキナファソ人の7割程度がマスクを着用しています。中には医療用の薄いゴム手袋とマスクを二重に着用し、厳重に警戒している人の姿も見受けられました。これまでハルマッタン(サハラ砂漠から来る時期的な砂埃)対策でマスクを着用している人は見かけましたが、これほど多くのブルキナファソ人がマスクを着用している様子を目にするのは初めてです。

コロナウイルスの発生源が中国とされているために、海外では各地でアジア人バッシングが相次いでいる話をよく耳にしますが、今のところ私達が差別的な行為や発言を受けたことは一度もなく、町の様子も落ち着いているように見えます。町ですれ違うブルキナファソ人も「家族は大丈夫か?お互い気をつけよう。」と声をかけてくれます。

現地に残った帯同家族・駐在妻として

現時点で夫の会社から帯同家族の一時帰国の話はなく、他国政府の特別便は会社補助のない私達にはとても捻出できる金額ではなかったため、今回はブルキナファソに残ることにしました。まだ海外に駐在している家族は、「今いる国に残った方が安全なのか」、「移動中の感染リスクを犯しながらも、今の状況の日本に帰った方が安全なのか」、それぞれが悩んで苦渋の決断をしていることと思います(会社指示により、選択できない場合もあるようですが)。どちらが正しいのかは、正直私にもわかりません。

<危惧していること>

ブルキナファソに残って危惧していることは、「治安悪化やパニックによる暴動」と「医療水準の低さ」の2点です。

元々治安の良くなかったところに新型コロナウイルスの感染が広がり、飲食店や市場の営業制限がかかったことで、人々の生活がますます逼迫していることが推測されます。先の見えない不安やデマから人々がパニックに陥り、略奪行為や暴動が発生しないか常に懸念しています。ワガドゥーグーにある中国系スーパーは、早い段階で営業中にも関わらずシャッターを閉めて施錠し、利用客が出入りする時にだけ解錠するといった措置を取り始めました。

またWHO(世界保健機関)は、アフリカ諸国において劣悪な衛生状況や貧困が感染に拍車をかけ、爆発的に患者が増える事態に対する警告を発しました。日本と比べて医療水準が低いので、ここでの感染爆発や自分や家族が感染して重症化したことを想像するとぞっとします。自分と子供達の命を守るために自宅にこもり、外部との接触を可能な限り避け、手洗いと消毒を徹底して感染予防に努めています。

<備えておいてよかったこと>

ブルキナファソで感染者が確認される少し前(アフリカ大陸で感染者が確認された時点)から、食料や日用品、発電機用の軽油、飲料水、ガス等を少しずつ買い溜めていました。

早い段階で準備を進めていたことで、焦ることなく必要なものを十分に揃えることができたと思っています。今は備蓄品で十分生活ができ、野菜以外はほとんど買い足していません。

私達はここに残ると決めた時点で、感染予防の徹底をしながら極力外に出ないで生活することを決めました。先の見えないこの生活に不安で押しつぶされそうになることもありますが、自分たちの健康な心と体を保ちつつ、子供達を不安にさせないようにできるだけ明るく前向きに過ごすよう心懸けています。

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