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リスク管理担当者が考えるべき海外出張者・駐在員の渡航リスク管理と持続可能な組織づくり

2018.12.18

海外出張者・駐在員を守るために、企業の危機管理担当者が直面している課題

2016年にIpsos MORIが実施した調査(*)によると、リスク管理担当者が直面する課題として下記の3点に注目することができます。

●渡航リスクに関する教育  ●研修 •危機発生時の社員との連絡方法  ●海外出張者のトラッキング


リスク管理担当者が直面する課題

*In October 2016, Ipsos MORI conducted a global survey among people who organise, influence, or are responsible for, their organisation's travel and risk mitigation policies. These survey findings represent responses from 1,119 people in 75 countries.


こうした課題により効率的に対処できれば、本来マネージャーに求められる大局的な視点に立った対応ができるはずです。つまり、渡航者のトラッキングや緊急連絡など、重要性が高いが、細かく時間のかかる業務の効率化が重要になります。リスク管理担当者は複数の業務を掛け持ちすることが多く、危機対応に関する責任の所在が曖昧になりがちなのも実情です。そのため事前に関係部署と調整し、責任の所在を明らかにしておくことが重要です。

新たに雇用されたスタッフの把握や、企業の機密情報が正しく管理されているかをチェックするなど、日頃からしっかりと情報を管理しておくことで、災害やテロなどの予期せぬ危機が起きた際に、多くの社員を守るための迅速な対応が可能になります。

危機発生、その時どう対応するか

危機発生時の組織的なリスク対応能力を高めるには、最適なBCP(事業継続計画)を定めることが重要です。BCPの策定は複雑で、さらにそれを維持するためにも非常に労力を要します。しかしながら、平時から具体的かつ実効性が高い計画を策定することで、社員を守るにとどまらず、顧客関係の維持や会社への評価を守ることにも繋がっていきます。

リスクをあらかじめ想定し、いくつかの対応策を織り込んでおく、危機への対応を自動化し、担当者が変わっても一定水準の対応ができるようにしておく、「ベストプラクティスは何か?」「落とし穴は何処に潜んでいるか」「担当者やリスク対応チームが不在の場合はどうするか?」など具体的な事例を調べ、想定した上で対応策を練っておくなど、組織として準備できることをしておくべきです。

管理職の果たすべき役割は重要

リスク管理担当者は危機発生時には組織全体の対応を指揮する司令塔として、全体をとらえて的確に対処することが求められます。各部門では管理職が部下を守る役割を果たすことになりますが、危機発生時に全ての管理職が積極的に行動できるとは限りません。平時から部下を守りサポートする役割と必要性に対する意識の醸成がなされていたかも、緊急時には大きな違いとなって表れます。

もしものときの社員の安否確認方法を確立しておく

海外出張者や駐在員、その家族など、危機発生場所の関係者の安否確認方法を、前もって構築しておきましょう。どうやって安否を確認するか、どんな方法で連絡手段を確保するか、組織全体にどのようにアナウンスするか、実行できるフローとツールをしっかり決めておくことが重要です。

渡航者のトラッキングツールはこうした渡航者追跡、安否確認を自動化できるツールです。いつ・どこで・何が起こっているかをスムーズに把握することが可能になりますし、双方向性を持つ連絡手段としても機能するので、緊急時にもタイムリーにコミュニケーションをとることができます。こうしたツールを活用すれば、危機発生時の社員との連絡方法の確保、海外出張者のトラッキングという、冒頭の調査で明らかになったリスク管理担当者が直面する課題のうち2つがカバーできることになります。

組織の機能不全を防ぐために

想定外の危機が発生した場合、業務は混乱し組織は機能不全に陥る場合があります。リスク管理担当者はそうした事態を防ぐために、BCPの策定、危機対応に関する責任の所在の明確化、実行できる危機対応フローの構築、渡航者トラッキングツールによる安否確認の自動化など、多角的に非常に多くの備えを構築しておかなくてはなりません。しかしながら、準備がいかに完璧で、隙のない対応計画が立てられたとしても、いくつもの代替案を用意しておくことは重要です。計画を立案したリスク管理担当者が緊急時に不在の場合もありえます。危機対応の司令塔の役割を担える複数の担当者をあらかじめ決めておくことや、確認作業のためにアウトソースを活用することも選択肢の一つになります。

また、危機が発生した場合の混乱を想定して、刻々と変化する状況を報告するためのレポートテンプレートを作成することも有効です。経営陣が現在の状況を素早く理解し、適切な判断を迅速に行うことができる環境を整えておくことで、緊急時であっても組織の機能不全を防ぐことができるからです。

インターナショナルSOS

グローバルビジネスにインパクトを与える危機は様々


テロ、自然災害、サイバーセキュリティ、国の政変やクーデターなど、グローバルビジネスにインパクトを与える危機の種類は様々で、それもいつどこで起こるかわかりません。しかも状況は刻々と変化します。状況に応じて、柔軟に、素早く対応できる準備をしておくこと、それがリスク対応力の高い組織であるといえます。危機にしなやかに対応できる組織は、それを乗り越え、成長し続けることができるに違いありません。

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