海外人事のためのウェブメディア「海外赴任LAB」

OUTBOUND RELOCATION
<dt>OUTBOUND RELOCATION</dt>

インターナショナルSOSジャパン株式会社 危機管理 日本 海外出張 海外赴任

小さな子供を連れての海外駐在│フライト中のアドバイス

2018.12.04

機内の緊急医療についての調査からわかること

MedAireは機内の緊急医療について5年間調査し、乳幼児を連れて飛行機に乗る際のアドバイスをまとめました。MedAireは30年以上に渡り、世界各国の航空会社に機内医療支援を提供し、フライトクルーをサポートするインターナショナルSOSの関連会社です。機内の医療事案に関する業界最大のデータベースを有しています。

MedAireの航空医療の専門家で世界的に著名なパウロ・アルブス博士とインターナショナルSOSの医療部長ニール・ナーウィッチは、アレクサンダー・ロタ博士およびユニバーシティ・ホスピタル・レインボー・ベビーズ&チルドレン・クリーブランド病院と協力して、MedAireが所有する機内医療事案(in-flight medical events:以下、IFME)の膨大なデータを精査しました。調査では2009年1月~2014年1月までの114,000件以上のIFMEを評価し、この内10%以上が子供(新生児~18歳)に関連するものだと判明しました。

パウロ・アルブス博士によると「子供が医療行為を必要とする事案は、ほとんどが既往症に由来するものですが、3%強がフライト中の怪我によるものでした。これらの怪我のうち、35%は2歳未満の乳幼児のものでした。最も多かった怪我は火傷、打撲、裂傷で、その主な原因は熱い飲み物やスープをこぼしたり、保護者の膝の上から転落するケースでした。しかし幸いなことに、保護者がいくつかの事に注意するだけで、機内での病気や怪我を未然に防ぐことができます。

小さなお子様と旅する保護者へのアドバイス

1. 健康状態を前もって確認する

既往症がある場合は、渡航前に小児科医とよく相談してください。出発時にお子様が病気である場合は、ゲートの係員にその旨を伝え、離陸前に適切な措置ができるようにします。上空では対処法も限られますが、出発前に適切な予防措置をとることで、緊急事態を防げます。

2. 準備を整える

乳児や幼児は主に胃腸や呼吸器に関連した症状を発症します。保護者は鎮痛剤や抗ヒスタミン剤、酔い止め等、機内で必要になりえる常備薬を用意しておくといいでしょう。常備薬は必ず機内持ち込みの荷物に入れるようにしてください。液状の薬は保安検査場のガイドラインに沿ったトラベルサイズのものであることを確認しておきましょう。

3. 正しい座席を選ぶ

どこに、どのように子供を座らせるかは、機内で安全に過ごすために重要なポイントです。経済的余裕があれば、乳児を膝の上に乗せるより、座席をひとつ確保することをおすすめします。最も安全なのは、FAA(アメリカ連邦航空局)に承認された航空機専用チャイルドシートに常に着席させることです。離陸や着陸時以外でもチャイルドシートを使うことで、保護者の膝の上から足元や通路に転落することを防ぐことができます。

お子様用に座席が確保できない場合は、窓側または中央の席を選びましょう。機内の怪我の多くは、頭上の荷物入れから物が落下したり、お子様が通路に転落したり、他の乗客やフライトクルー、機内食カートとぶつかったり、他の乗客に熱い飲み物を手渡す際にこぼしたりすることで発生します。お子様を通路側の座席に座らせないことで、よくある怪我を予防できますし、より注意深く見守ることができます。

4. 保護者は交代でお子様の面倒を見る

複数の大人が一緒に移動する場合は、一人がお子様を見ている間に別の方が休めるよう、交代で面倒を見ましょう。フライト時間が長くなるほど、子供は落ち着きがなくなって、じっとしていることが難しくなります。気を紛らわせられるよう、お気に入りの絵本や目新しいおもちゃを用意し、なるべく長くチャイルドシートに座っていられるよう工夫してみましょう。

5. 安全に睡眠を取る

睡眠中の事故は自宅でも上空でも、どこにいても起こりえるものです。飛行機内でも窒息や乳幼児突然死症候群による死亡リスクがあります。乳児を連れて乗る場合は、安全に眠れるように気をつけましょう。保護者の膝の上で乳児が眠る場合は、厚着をしすぎていないか、体温が上りすぎていないかを確認して、楽に呼吸ができることを確認してください。

インターナショナルSOS

万が一の緊急時は落ち着いて行動してください。助けてくれる人が必ずいます。お子様に異常が見られたらすぐにフライトクルーに知らせましょう。何かがおかしいと思ったら、早めに行動することで、対処も早くできます。航空会社には機内で健康に異常が発生した乗客を介助するための手順が定められていますし、フライトクルーは救急救護の研修を受けており、緊急事態にどのように対処すればいいか、きちんと理解しています。また、地上にいる救急医療従事者にアドバイスやサポートを求めて遠隔で医療支援を行うこともできます。


小さなお子様を連れての移動には、様々な心配事や気がかり、突発的な出来事があるものです。飛行機に乗る前の準備と、フライト中に気をつけるポイントを押さえて、赴任先への第一歩ともいえる機内の時間をいい思い出にしてください。


Related Articles

合わせて読みたい

Interview

海外で活躍する先人達